(゚、゚トソンは大切なものを守るようです
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4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 18:56:26.69 ID:aTaNqApM0
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【第二話】
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7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 18:59:01.04 ID:aTaNqApM0
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昼休み。いいね、やっぱり。解放される。
同盟を組んだ三人と、食事。癒される。
滑り止めの選択をミスって、こんな底辺の高校に来ちゃったけど……
まさか、三年になってクラスメートにアイドルのクーにゃんファンが二人もいたとは!
地元でしか活動していないという、ほとんど無名な彼女を愛でる同志が……!
改めて考えると、この学校にきて、ほんとうによかったと思えるね。
日頃のストレスのたまり具合はひどいけど……
( ΦωΦ)「フィレンクト氏」
(‘_L’)「どうした、ロマネスク氏」
なんてことを考えていると、ロマネスク氏に呼ばれた。
考え事に夢中で、会話をすっぽかしてしまったか?
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8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 18:59:57.38 ID:aTaNqApM0
-
――なんてのは、ただの杞憂だった。
ロマネスク氏は、拙者の顔色をうかがうかのように、拙者の手元にぽんと何かを置いた。
なんだと思うと、そこにあったのは缶コーヒーだった。
それも、ソーサク社の新製品。
昨日買い損ねた、飲みたかったコーヒーだ。
(‘_L’)「い、いいの?」
( ΦωΦ)「なんだか、もうしわけなくてな」
(‘_L’)「なんの風の吹き回しだw」
( ΦωΦ)「だって、なあ。クックル氏?」
( ゚∋゚)
ロマネスク氏が隣に目を向ける。
そう問われるなか、クックル氏はただ無表情で弁当を食べているだけだった。
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10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:01:15.52 ID:aTaNqApM0
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クックル氏。すごいよこの人。
まず、身長が二メートル超え。腕の太さなんかやばいし。
あれだ、マンガにいたよこんなキャラ。クッキーだかビスケットだか忘れたけど。
で、すごいのはそれじゃなくって、そのギャップだよ。
まず、すごい小食。こんな巨躯なのに、食べるのは女子の弁当と大して変わらない量。
よくこれでそんな大きな体を保てるなあ、と。
しかも、拙者やロマネスク氏と同じ、クーにゃんファンなのだ。これが意外だったね。
ぱっと見不良にしか見えないクックル氏が、実は我々の同志だったなんて!
普段は寡黙で、クックル氏の声を(咳とか以外で)聞いたことがないけど
スカイプとかツイッターとか、文字で話すときなんかすごい。何がすごいって、ギャップがすごい。
クーにゃんの話になれば、テンションが見るからにあがるんだもの。
すごいよ、クックル氏は。
しゃべってくれないけど。
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11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:02:07.86 ID:aTaNqApM0
-
( ゚∋゚) モグモグ
( ΦωΦ)「箸のスピードがあがった。同意しているのである」
(‘_L’)「どんな着眼点だよ…w」
( ΦωΦ)「まあ、昨日はたいへんだったからなあ」
(‘_L’)「ほんとほんと」
( ゚∋゚) ゙
( ΦωΦ)「ん?どうしたである、クックル氏」
(‘_L’)「昨日、なにがあったのでござるか、だってよ」
( ΦωΦ)「ああ、そういや知らなかったであるな」
――まあ。
最近、クックル氏の顔を見ただけで言いたいことがだいたいわかるようになったけど。
-
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:03:26.36 ID:aTaNqApM0
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( ΦωΦ)「貴殿も名くらいは知っているであろう」
( ゚∋゚)
(;ΦωΦ)「た、高岡さんと、都村さんであるよ!」ヒソヒソ
(;‘_L’)「拙者たちの前で、そりゃーもうおっぱじめようぜって感じで」ヒソヒソ
( ゚∋゚)
( ΦωΦ)「『ほう』って……楽観的であるなあ」
(‘_L’)「当事者になったら、この怖さがわかるよ」
( ゚∋゚)
( ΦωΦ)「まあ、クックル氏がいればなんとか逃げ切れそうであるがなあww」
(‘_L’)「っていうより、あの人たちより強いんじゃない…?クックル氏って」
(( ゚∋゚)) フルフル
( ΦωΦ)「クックル氏の拳は、我らがクーにゃんを悪党から守るためにあるのである!なあ、クックル氏?」
( ゚∋゚) コク
(‘_L’)「そんなあ」
-
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:04:12.56 ID:aTaNqApM0
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( ΦωΦ)「でも、まあ。過ぎた話よ。ワガハイたちはクラスが違う」
(‘_L’)「高岡さんがGで、都村さんがFだっけ」
( ΦωΦ)「して、ワガハイたちはE。教室に出入りするときに警戒しておれば、問題ないのだ」
(‘_L’)「それもそうだねw」
( ゚∋゚)
( ΦωΦ)「…?どうしたクックル氏、急に黙って」
(‘_L’)「元から黙ってるけどね」
-
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:04:52.25 ID:aTaNqApM0
-
(ΦωΦ )彡「……廊下?誰かいるのk
(ΦωΦ )
( ΦωΦ)
(‘_L’)「え?なになに、どうしt
(‘_L’)
(‘_L’)
-
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:05:32.86 ID:aTaNqApM0
-
(゚、゚#トソン「ありえない……ありえない……」
ミセ*゚ー゚)リ「もー、まだ言ってんの?ww」
(‘_L’)
( ΦωΦ)
( ゚∋゚)
-
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:07:19.88 ID:aTaNqApM0
-
(;ΦωΦ)「(でッでたあああああああああああああああああああああ!!!)」
(;‘_L’)「(しかも超不機嫌んんんんんんんんんんんんんんんッ!!)」
( ゚∋゚)
(;ΦωΦ)「そ、そういえばいい天気であるなあ!」
(;‘_L’)「コーヒー、ゴチね」
(;ΦωΦ)「そ、そういえば五時間目は体育であるか!」
(;‘_L’)「E、F、Gと合同ね」
(;+ω+)「…………男女が別々で、よかった……」
(; -_L-)「まったく……」
(゚、゚トソンは大切なものを守るようです
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17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:08:58.64 ID:aTaNqApM0
-
◆
ミセ*゚ー゚)リ「いいジャン、今にはじまった話じゃないし」
(゚、゚#トソン「アイツ、一方的に殴りかかっといて、なんで被害者気取ってんのよ!」
ミセ*゚ー゚)リ「はあ」
せっかくのお昼休みも、これじゃあなあ……。
でも、一度トソンがプッツンしちゃったら、まる一日は放置しないとだめなわけで。
こうして落ち着いてもらうようにアプローチしても、上の空。
ケーキバイキングでも連れていこうかなあ。クーポンあるし。
あ、わたしはミセリね。双子の姉がいる、学校で一番イケてる女子として有名です。
ほんとうに一番なんだって。
化粧は学校で一番うまいし。
トソンと違ってボインだし。言うほどないけど。
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18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:10:06.13 ID:aTaNqApM0
-
(゚、゚#トソン「あああああああ!!ハラ立ってきた!」
ミセ*゚ー゚)リ「早くごはん食べようよー」
(゚、゚#トソン「あんたは食うことばっかね」
ミセ*゚ー゚)リ「トーゼン。ごはんが動力源よ」
(゚、゚#トソン「ならヒトリで食堂にいってらっしゃい。アタシ、G行くから。じゃ」
Gってのは、3−G……三年ジー組を指してて
このアルファベットは、頭の良さが関係しているって噂があるけど詳しくは知らん。
――じゃなくって
ミセ;゚ー゚)リ「うおおおい!見届けれるか!」ガシッ
(゚、゚#トソン「なによ、離して」
トソンさん、顔が怖いです。
せっかくノーメイクでも少しは可愛いのに。ミセリには劣るけど。
怖い顔をして、手を払いのけようとする。
……だから、だめだって!
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19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:11:25.77 ID:aTaNqApM0
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ミセ;゚ー゚)リ「殴り込みにいくつもりっしょ!離せるかっての!」
(゚、゚#トソン「大丈夫。仲直りしにいクダケダカラ」
ミセ;゚ー゚)リ「じゃーまずその握り拳を解け!信じられるか!」
(゚ー゚#トソン「あ、いや。仲直りにじゃんけんでもしようかなって」
ミセ;゚ー゚)リ「チョキ!チョキなら――」
(゚、゚#トソン「目潰し!それもいいね」
ミセ;゚ー゚)リ「おいコラ!」
(゚、゚トソン「しまった」
ミセ*゚ー゚)リ「しまった、じゃないよ。行かせないからね」
(゚、゚トソン「……」
都村トソン。3−Fで、ミセリと一緒のクラス。
背が高くて、脚が長い。悔しいけど、この二点は勝ちを譲らないとだめみたい。
で、そのせいか、蹴りがかなりやばい。
どれくらいやばいかと言うと、教室の扉に蹴りをいれて、それをきれいにぶっ飛ばすほど。
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20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:12:33.73 ID:aTaNqApM0
-
前に、当時イライラしすぎていたのか、こんなことがあった。
登校時(授業中ね。つまり、遅刻)、閉まってた扉を、トソンは蹴り破ったんだ。
いや、それと違う。文字通り、「蹴り破った」。
横開きの扉が前後に開けられた瞬間、たぶん生きてる上であの一度しか見ることができないよ。空前絶後?
扉がぶっ飛ばされて、一番驚いたのはセンセーよ。
だってそうでしょ。板書のために背を向けていたうちに、教卓が爆音と同時に消えたんだもの。
とばされた扉の道連れとなって、教室の端まで、どーんと。
そして、直後にトソンが
( 、 #トソン『うざいうざいうざいうざいうざいうz
(;^Д^)『教卓ううううう!』
とか。
「扉破り」はショージキ言ってミセリも苦手なんだからさ……。
だって、席最前列だし、うるさいのは嫌だしで……
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21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:14:30.69 ID:aTaNqApM0
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でも、日頃は可愛い人なんよ。ほんと。
これで、可愛いものが好きって一面があるし。
一度もトソンちに泊めてもらったことはないけど、逆に考えたら、トソンちには大量のぬいぐるみとかがあるんじゃ――
(゚、゚トソン「ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「はあい」
考えてることが読まれたかな?
とりあえず、みんなが言うほどワルい人では、ない。
(゚、゚トソン「ヒル、なにk
「ちょ、都村さんだぞ…!」ヒソヒソ
「目を合わせるな!さっさと逃げるぞ!」ヒソヒソ
「シッ!声がでかい!」ヒソヒソ
( 、 #トソン「……」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、あの、えtt
-
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:16:16.42 ID:aTaNqApM0
-
・ ・
(゚Д゚#トソン「テメーラまとめてアナ空けるぞオラァァッ!!」
「ぎゃああああああッッ!!」
「すすすスミマセンっしたアアアア!」
(゚、゚#トソン「どいつもこいつも……ッたく!」
ミセ>;゚ー゚)リ>「耳がー痛いよー」
ワルい人では……ううん……。
-
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:17:19.75 ID:aTaNqApM0
-
でも、いま一瞬、怒りを抑えてた!
この隙に宥めないと。うん。
さすがミセリ、気遣いがうまい。
ミセ*゚ー゚)リ「ごはんがどうしたの?」
(゚、゚#トソン「……、……」フーフー
(゚、゚トソン「………メシ。なに食う?」
ミセ*゚ー゚)リ「待ってました!今日はトソンのおごりね」
(゚、゚トソン「なんで……、別にいいけど」
やった!
落ち着いた時のトソンは聞き分けがいい。
(゚、゚トソン「なにニタニタしてるの」
ミセ*゚ー゚)リ「べッつにー?」
(゚、゚トソン「さて…なに食おうかな」
-
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:19:39.98 ID:aTaNqApM0
-
ミセ*゚ー゚)リ「トーソーン」
(゚、゚トソン「?」
ミセ*゚ー゚)リ「あんたも女の子なんだからさ、こう……『食う』じゃなくて『食べる』とかになさいよー」
(゚、゚トソン「……」
トソンがちょっと悩む。
前々から思っていたけど、トソンは男言葉が多いんだよね。
ハインさんに比べたらマシだけど。あの人はもはやオトコだ。
まあ、ミセリみたいに引く手あまたなオンナにはなれないにしても、だ。
トソンにはせめて、どこかにいるオトコを一人だけでも魅了できるようなオンナになってほしい。
もう、卒業、も見える時期になっているのだから。
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27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:21:10.33 ID:aTaNqApM0
-
(゚、゚トソン「アイツ曰く、アタシはヤローで猿だって」
アイツってあれか、どーせハインさんか。
懲りないね、トソンもあの人も。
……ってか、結構気にしてるんだ。可愛いトコあんじゃん。
ミセ*゚ー゚)リ「ヤローじゃないよー、レディーだよー」
(゚、゚トソン「アイツシメれんなら、オトコでいいって思えて」
ミセ*゚ー゚)リ「だめだめ。ミセリみたいに、色気むんむんにならないと」
(゚、゚トソン「厚化粧でケバいオンナに?」
ミセ;゚ー゚)リ「ちがうもん!ミセリの魅力を引き立ててるだけだもん!」
ゼッタイ、ゼッタイ違う。
厚化粧……って親にすら言われるけど、みんな勘違いしてるだけなんだ。
ほんとうは、ミセリのすっぴんで既にメイク済みを疑われるほど整ってるだけなんだ。
姉だって、ミセリには劣るけど、まあそこそこ?微妙に?整ってるし。ミセリより化粧濃いけど。
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29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:22:28.50 ID:aTaNqApM0
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(゚、゚トソン「……」
(゚ー゚トソン「………はは」
ミセ*゚ー゚)リ「!」
トソンが笑った!やっと笑った!
今朝からずっと不機嫌で、眉間にひびができてたトソンが!
昨日、またハインさんと一悶着があったみたいで。
しかも、毎度のようにタカラセンセイに止められて。
今回の場合、ハインさんに先に手を出されたこともあいまって、よけいに怒っていたそうだ。
でも、笑ったってことは。
もう気に留めなくなったんだな。
これはいい。ケーキバイキングはミセリだけで行こう。
(゚、゚トソン「……またニタニタして」
ミセ*゚ー゚)リ「んん。なんでもない」
ミセ*゚ヮ゚)リ「ってなわけで、食堂にゴー!」
(゚、゚トソン「ミセリのおごりね」
ミセ*゚ー゚)リ「わー……、……」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(゚、゚トソン「?」
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30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:23:18.92 ID:aTaNqApM0
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ミセ*゚ー゚)リ「えっと……トソンさんのおごりでなくって?」
(゚、゚トソン「財布置いてきたし」
ミセ*゚ー゚)リ「えっと、えっと」
ミセ;゚ー゚)リ「………さっきおごるって言ったじゃん!」
(゚、゚トソン「ああ、あれ」
(゚ー゚トソン「……ただの気分?」
ミセ*;ー;)リ「ドチクショおおおおおおお!期待したミセリが馬鹿だった!」
(゚、゚トソン「泣くなって。厚化粧が落ちる」
ミセ*;ー;)リ「厚化粧じゃないもん……」
(゚、゚トソン「今度なんかおごるから。食堂行こう」
ミセ*;ー;)リ「ふぇーん」
先を、笑いながら歩いてくトソンを追う。
……あ、ちょっと化粧落ちた。
-
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:24:37.52 ID:aTaNqApM0
-
◆
(゜д゜@「あらやだ!10円足りないよ、センセ!」
(;^Д^)「あっれー?おかしいな……」
(゜д゜@「どうする?ホットドッグならぴったりで収まるケド」
( ^Д^)「ホットドッグか……うーん…」
ホットドッグ……じゃ、だめなんだ。
先生の業務を成し遂げるためには、タツタバーガーとサラダのセットじゃないと。
しかし、だ。
タツタバーガー、220円。
ツナサラダ、190円。
……計、410円。タバコかよ。
一方、オレの手持ちは………
あらやだ、400円だけ。
-
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:27:16.28 ID:aTaNqApM0
-
(;^Д^)「うーん……」
(゜д゜@「後がつかえてんだ、急いでおくれセンセ!」
(;^Д^)「あああああああ!どうすればいいんだああああ!」
ホットドッグも、嫌いじゃあない。
私立高校なだけあって、若干高い代わりに味はいいのだから。
というより、前まではホットドッグを昼にとってたんだし。
・ ・
ホットドッグの場合、ソーセージに弾力がある。
「パリッ」だけで済まない。一度噛まれたソーセージがリベンジを目論むかのように、跳ね返るんだ、肉と皮が。
で、しぶきのごとく肉汁が口内で踊る。
悪くない、悪くないのだが………
-
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:28:40.34 ID:aTaNqApM0
-
タツタ、これには勝てないんだよ。
なんだよ、夏休み明けから新メニューでタツタバーガーって。
食ってみた、するとやばいんだよこれが。
アブラがしつこいはずのバーガーなのに、タツタ特有の和風な味がそれを消すって!
しかもキャベツがシャキシャキで、異なる三つの食感が融合するって!
ホットドッグの上位互換じゃないか!俺は、少なくともそう思ったね。
410円……いつもなら、ポケットに500円はあるんだけど。
……そうか、思い出した。通勤のとき、コンビニでガム買ったんだ。
あれでその500円を使っちゃったのか、俺は。
大しておいしくもなかったのに……学校に着く前に捨てたほどには。
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34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:31:05.84 ID:aTaNqApM0
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(゜д゜@「諦めな、センセ。こういう日もあるさ」
(^Д^;)「嫌ですよ!誰か、10円貸し――」
食堂のおばちゃんの、悪魔の誘いにのってはだめだ。
タツタを食べられなかった後悔で、今日の残りをどんよりとしたまま過ごさなければならなくなるからだ。
くそ、どうして学校はタツタバーガーなんて中毒性の高いイッピンを出したんだ。
こうなったら、教師としてのプライドなどない。
近くに見知った生徒がいれば、金を借りよう。
そう思って、振り返ったときだ。
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35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:32:28.80 ID:aTaNqApM0
-
(゚、゚トソン
( ^Д^)
(゚、゚トソン「あ」
( ^Д^)「あ」
(゚、゚トソン
( ^Д^)
(;^Д^)「いたああああああああッ!」
(゚、゚;トソン「な、なによ急に!おとなげない!」
(;^Д^)「プライドなんてハナからないさ!それよりも、トソン!」
(゚、゚;トソン「…?」
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36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:33:28.76 ID:aTaNqApM0
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(;^Д^)「ボクに10円を―――」
そう言おうとしたとき。
トソンの、更に向こうから声がした。
厚化粧の彼女のものではない。彼女は横にいる。
しかも、その声はかなり聞き覚えのあるものだったのだ。
トソンも振り返る。
すると彼女も、その声の主と同じような声を放った。
ええ……嘘だろ……?
どんだけこの二人、仲いいんだよ……。
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38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:36:04.18 ID:aTaNqApM0
-
从 ゚∀从「でくの坊じゃねーか。ジャマだ、オレに順番を譲れ」
(゚、゚トソン「あら。アタシ、並んでないんだけど。目ェ狂った?」
从#゚∀从「……、じ・ゃ・あ・ド・ケ」
(゚ー゚トソン「人にものを頼む態度かな?」
从#゚∀从「なんだー?昨日の続きでも――」
(゚、゚トソン「あーダメダメ。人になにか頼むときは、いまのタカラみたいにしなくちゃ」
从 ゚∀从「……タカラ?」
あ、ちょこっち見んな!
こっちはただでさえ立て込んでるのに!
(゜д゜@「センセ、他の生徒先に捌くよ?」
(;^Д^)「どーぞどーぞ!でもタツタとサラダはとっといてくださいね」
(゜д゜@「はいはい。次の人ー」
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39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:37:43.24 ID:aTaNqApM0
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……しっかし、この二人がいるってのに、おばちゃんは物怖じしないんだな。
他の生徒や先生なんか、ほら。
「ちょ、あの二人がきちゃったよ!」ヒソヒソ
「いや、大丈夫だ!タカラ先生がいる!」ヒソヒソ
「そ…そうだよな。あの人がいるなら……」ヒソヒソ
期待するなら金よこせえええええええええええええええええええええええええ!!!
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40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:38:42.38 ID:aTaNqApM0
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从 ゚∀从「タカラじゃねーか。トソンとデートか?」
(゚、゚トソン「やっぱあんたの目はイカレたみたいね。潰してあげよっか?」
ミセ;゚ー゚)リ「だからチョキもあかん!」
(;^Д^)「あのー…。」
从 ゚∀从「「ンだよ」」(゚、゚トソン
(;^Д^)「昨日ボクが言ったの、覚えてる?」
(゚、゚トソン「ああ、覚えてるよ」
(゚、゚トソン「『おれは先生だ!』だっけ?」
(;^Д^)「いや、言ったけど!違う、もっと他n
从 ゚∀从「ヤったりなんかしねーよ。オレぁ空きっ腹でサシ張んのはいやなんだ」
(゚、゚トソン「奇遇ね」
……お?
これは、なにも起こらなくて済むパターン……?
-
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:39:53.39 ID:aTaNqApM0
-
从 ゚∀从「で、テメエはなにしてんだよ」
(;^Д^)「え?いや、トソンにカネを借りようとだな……10円ほど」
(゚、゚トソン「!」
トソンがまさかの事実にがばっと振り返る。
あれ、だめなのかな……?
どうしよう、俺もそろそろ空きっ腹がやばいんだよ。
……で、どーしてそんな空きっ腹に重くのしかかってくるような声がするんだよ!
从 ゚∀从「あwwwwそうっすかwww」
(゚、゚トソン「…?」
从 ゚∀从「いやね、トソンさんなら貸してくれるっすよwwwwwwカネ持ちだからwwww」
なんだなんだ?なにがあったんだ?
( 、 トソン「……!」
从 ゚∀从「どうしたwwたった10円だろ?www」
( 、 トソン「………」
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42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:40:58.92 ID:aTaNqApM0
-
んん?
トソンが急におとなしくなった。
傍らの女子は急にそわそわするし、ハインは活気づいてきてるし。
どうした、これ。
なにが起こっている。
从 ゚∀从「あっれ?まーさーかー?ww」
ハインがトソンに歩み寄る。
すっかり固まったトソンの肩に不敵に腕を置いて、ハインは彼女に耳打ちした。
あれ……嫌な汗が……。
从*゚∀从「あのトソンさんが、まさかのキ・ン・ケ・ツ?」ボソッ
( ー #トソン「―――ッ!」
(;^Д^)「えっと……な、ないならいいんだよ?」
从*゚∀从「ほらほらwww優しいセンセーがああ言ってるぜww?」
(゚ー゚#トソン「……あんたみたいな真性キンケツと、一緒にすんなよ」
从 ゚∀从「おー。じゃ、お財布チェーック」
(゚、゚トソン「!」
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43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:42:09.52 ID:aTaNqApM0
-
ハインが、財布が入っているであろうポケットに手を伸ばす。
それを見たトソンは――
( 、 トソン スッ
从#゚∀从「いてッ……――!」サッ
(;^Д^)「!」
「ちょ、ヤベエって!結局ハジマるんじゃねーか!」
「しかも、『脚のトソン』が、拳って!」
「お、俺、今日メシいいや……」
「わたしも……ッ」
(;^Д^)
俺はそのとき、なにが起こっているのかについては未だわかっていないが、鬼気迫るものを感じた。
なぜだろう。
事の発端はわからない。
いや、そもそもコイツらに限って「理由」なんてものはなくたっていい。
互いが、いる。
それだけで、じゅうぶん喧嘩の発端にはなるんだから。
-
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:43:53.64 ID:aTaNqApM0
-
でも、だ。
トソンが動いたのを見ただけで、どうしてか
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
背中が、すぅーっとした。
トソンが、腕を載せられていない方の手――左手で、ハインの左手に殴りかかった。
いや、正確には左の「手」ではない。
脇の上、上腕二頭筋の裏っ側だ。
しかも、その筋のところにトソンの中指の骨が食い込んだようで、ハインは露骨に痛がった。
いまの俺と同じように、なんらかの動揺を垣間見せながら、彼女は数歩下がる。
逆に、トソンは一歩、また一歩と歩み寄る。
動揺こそしたハインだが、いくらなんでもいつまでも退いてるようじゃ『拳のハイン』なんて言われない。
周囲の注目を一身に浴びながら、言った。
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45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:45:43.07 ID:aTaNqApM0
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从#゚∀从「……今の不意打ちは、効いたぜ。覚悟はできてんだろうなァ?」
( 、 トソン
………トソン……?
( 、 トソン
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「……」
(゚ー゚#トソン「……昨日のお返し、だけど?」
(;^Д^)「……」ホッ
……あれ?
いま、どうして、俺はほっとした?
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46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:46:37.76 ID:aTaNqApM0
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从#゚∀从「オレぁ殴っちゃいねーぜ。わざと避けれるようにしてやったんだからな」
(゚、゚#トソン「へえ。じゃあおあいこね。こっちも脚はまだ使ったげてないから」
从#゚∀从「ほう。テカゲン、か。オレも随分と嘗められたもんだなァ」
ミセ;゚ー゚)リ「先生、10円あげる!」
( ^Д^)「あ、ありがとう」
(;^Д^)「――じゃない!タツタより先にこっちだ!」
なんでいつもと違う雰囲気なんだよ、ハインとトソン!
あれか、昨日俺が来る前になにかあったのか!?
とにかく、止めないと、やば――
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47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:48:04.38 ID:aTaNqApM0
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(゜д゜@「この子がタツタ欲しがってるんだけど……」
(^Д^;)「あ、ボク買うんで!」
(゜д゜@「そう」
(;^Д^)「君たち、先にゴハンしよう!な!」
ミセ;゚ー゚)リ「10円、返さなくていいんで!」
(^Д^;)「あ、ありがとう」
ちょっとは俺の身にもなってくれ。
ほんとうに頼む。
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48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:49:22.62 ID:aTaNqApM0
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从#゚ー从彡「フン!」サッ
≡(゚、゚;トソン「ッ!」
(;^Д^)「!」
俺がよそ見をしていたうちに、ハインが動いた。
右手を振りかぶって、殴りかかる――
――と見せかけて、だ。
ハインは左足で強烈な蹴りを見舞ったのだ。
トソンも不意を衝かれ、反応に遅れた。
が、『脚』と言えばトソンが上だ。
右足の腿をあげ右膝をたたんで、その蹴りを防いだ。
反応が遅れたのもあってか、トソンは若干苦悶の表情を浮かべる。
と、二人の喧嘩がハジマったのを見て、周囲のどよめきがいっそう強いものになった。
怖いもの見たさで残る人や、逆にそそくさと食堂から逃げ出す人。
そして、俺が二人をどう止めるのかを見たがっている人。
正直、これに属する人は今すぐ帰ってほしい。
見ても、ほら、楽しいものじゃないから――
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49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:50:16.55 ID:aTaNqApM0
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≡(;^Д^)「――じゃねーよ!」
なに、のんきに傍観しようとしていたんだ、俺は。
二人を止めるのが、認めたくはないが、俺のだいじな使命のひとつなのに。
すぐに、タックルをキメるかのように二人の間に体を張って割り込む。
刹那、ハインの右拳とトソンの右足が俺の体を挟み撃ちにした。
威力の逃げ場をなくされてしまったので、そのダメージが体内に残る。
正直言って、痛い。これは一週間はアザが消えないな……
从#゚∀从「…チッ!またかよタカラ!」
(゚、゚#トソン「いっつもいっつも思うんだけど、正気か!?アタシたちの間に入るって!」
( ; Д )「…ぐう……」
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50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:51:19.09 ID:aTaNqApM0
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結構クるなこれは……。
それもそうだろう、そうとうやんちゃな連中が集ったこの学校で、頂点を競い合う二人の、しかも渾身の一撃なのだ。
『拳のハイン』の、振りかぶった右の拳。
『脚のトソン』の、バネを利用した右の脚。
同時に体の両側から食らって……これが常人なら、骨、イってるぞ。
(゚、゚#トソン「死んでも……知らねえぞ」
( ; Д )「……わかってるよ、自殺行為っての……は。」
从#゚∀从「だろうな。わかったら、ドケ」
(;^Д^)「わりぃけど、できんわ、それ。死んでも」
(゚、゚#トソン「あら珍しい。ヴィッ校で、正義感を感じるセンコーなんて」
(;^Д^)「正義感じゃねーよ」
从#゚∀从「ハア?」
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51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:52:13.44 ID:aTaNqApM0
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ハインがそんな声を発する。
いや、考えればただの正義感に過ぎないんだけど。
でも、そういうのとはちょっと違う。
なんだろう、俺が二人を止める理由…………
(;^Д^)「なんでかなー」
(;^Д^)「君たちのセンセーだから、ほら」
(゚、゚トソン「………ッ」
(゚、゚トソン「……ああ、そういやあんた、きれいごとを語るタイプだったね」
从 ゚∀从「シケんだよ……そーゆーの」
あ、あれ?
予想とは違う反応だけど、これって手応えあり?
二人の顔から、怒りがすぅーって消えていったのだ。
ひょっとすると、やはり、「体を張る」というのは案外効果的なのかもしれない。
……喧嘩が毎日起こったら、そのうちイくけど、体。
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52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:53:30.45 ID:aTaNqApM0
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(゚、゚トソン「……ミセリ。帰るぞ」
ミセ;゚ー゚)リ「馬鹿言うんじゃないの!あんたのせいでミセリまだなーんも食べて……」
あ、やった。
これ、お開きムードじゃん。
なんだかんだ言って、俺の言葉を聞いてくれてるんだ、コイツら。嬉しい。
(゚、゚トソン「ケーキバイキング」
ミセ*゚ー゚)リ「!」
(゚、゚トソン「クーポン?持ってんだろ。二人分。帰り、食べるぞ」
ミセ;゚ー゚)リ「なんで知ってんのさ!」
(゚、゚トソン「……あ、持ってたんだ」
ミセ;゚ー゚)リ「!! ぬあああああああ!」
(゚、゚トソン「フン」
そう鼻を鳴らして、ハインに一瞥を与えてから、きびすを返す。
残されたハイン(とその他大勢のギャラリー)は、ただ呆然と立っていただけだった。
そりゃあそうだろう。犬猿の仲の二人が喧嘩をハジメたかと思えば、すぐ終わったのだから。
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53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:54:20.27 ID:aTaNqApM0
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最初はぼーっとしていたハインだが、少しして深く息を吸った。
あれ?ハインの後ろ、よく見たら人が……
从 ゚∀从「……なんか、疲れる」
ー゚)「……」
从 ゚∀从「いつまで隠れてンだよ」
ー゚)「…。」
(*゚ー゚)「………だって」
……あ、そりゃそうか。
ハインの唯一の親友なんだから、いないほうが不自然だったな。
で、喧嘩がハジマるから、怖くなって後ろの方に避難――と。
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54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:55:36.89 ID:aTaNqApM0
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(*゚ー゚)「喧嘩、するし。アイツは、いるし」
从 ゚∀从「……」
しぃは、珍しいタイプの不良だったな。そういえば。
遅刻の常習犯で、授業中でもお菓子食ってスマホいじってるしで。
でも。喧嘩だけは、嫌いだそうだ。
一年のとき、俺のもっていたクラスに彼女もいたからそこらはよくわかるのだけど……。
あれ、「アイツ」って誰だ?トソンか?
仲悪かったっけ、この二人。
……なんて思っていると、会話に進展があった。
从 ゚∀从「悪かったよチクショウ」
(*゚ー゚)「お菓子」
从 ゚∀从「ん?」
(*゚ー゚)「たけのこ五箱で許すの」
从;゚∀从「……ハア!?今朝言ったよな、オレ――」
(*゚ー゚)「じゃないと、泣く」
从;-∀从「……あー」
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55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:56:29.91 ID:aTaNqApM0
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ハインはしぃに弱かった。
いや、弱いというか、強気に出られない、というか。
彼女のことを、ハインも唯一の親友だと認めているからだろう。
ハインは頭をぼりぼりかいて、そのまま両手をポケットに突っ込んだ。
从 ゚∀从「しゃーね。わァーったよ、どうせ昼メシもおじゃんになったし」
(*゚ー゚)「あんがと」
从 ゚∀从「その代わり、浮いた分でしか買わんから。ふた箱な」
(*゚ー゚)「ちぇー」
いやあ、よかったよかった。
よかっ……、……!?
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56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:58:33.82 ID:aTaNqApM0
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(;^Д^)「は、ハイン!」
从 ゚∀从「あ、まだいたのか」
(;^Д^)「いま何時だ!?」
从 ゚∀从「時計持ってねえのかよ」
時計がどうこう、じゃない。
時計を見ても、どうせ信じられないと思うのだ。
人から聞いた方が、確実に現実を受け止められる。
でも、でも。
从 ゚∀从「もう昼休み、5分しか残ってねーよ」
( ^Д^)「」
(゜д゜@「た、タツタ……ここに置いとくね。10円はイイよ」
( ^Д^)
( ^Д^)
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57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 19:59:24.08 ID:aTaNqApM0
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从 ゚∀从「しぃ、帰ろ」
(*゚ー゚)「あ、うん。でもセンセは……」
从 ゚∀从「次体育じゃねーか。急ぐぞ」
(;゚ー゚)「あ、ヤバ!次遅れたらまずいんだ!」
≡从*゚∀从「ウヒャヒャヒャ!行くぞ!」
≡(;゚ー゚)「待って、待て!」
( ^Д^)
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58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/06(日) 20:00:16.84 ID:aTaNqApM0
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その日、五限目の授業に遅れたせいで怒られたし。
ホットドッグはおろか、ゴハンすら食べられなかったし。
放課後にタツタバーガーを食っても、しなってしてたし。
午後の授業じゃ、チカラ、でなかったし。
災難続きだった。
……どうやら、昼にタツタバーガーを食べないとよくないことが起こるというのは、れっきとしたジンクスのようだ。
明日からは、ポケットに札を入れてくることにしよう。
……。
泣いてねえよ。
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