ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです
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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:06:53.83 ID:ngapAhffO
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※
冬、到来。
頬を刺すような冷たい風が、白い息を後ろに運んでいく。
本格的に寒くなってきた街には、体を丸めながら足早に歩を進める人々。
その一方でイルミネーションがあちこちで輝き、
12月という一年の締めを飾るに相応しい賑わいを見せていた。
それにしても疑問に思わないだろうか?
確か前の話の冒頭で秋の描写をしていた、という事に。
いやはや、月日の流れとは、かくも早いものである。
頼むからそういう事にしといて下さい。
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5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:08:59.36 ID:ngapAhffO
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建物の窓から下を覗き見る。
其処から見えるのは人の波。
皆、思い思いの目的地を目指して足を動かす。
そんなありふれた光景。
珍しさなど皆無のそれを。
頬杖ついてボーっと見ている男が一人。
(,,゚Д゚)「………………………………ぁぅ」
無意識にあくびを一つ。
暇の極みである。
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9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:10:53.04 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「また随分と暇そうですねぇギコさん」
そんな様子のギコに苦笑しつつモララーが声を掛けた。
そういう彼の両手も手持ち無沙汰にしていたのだが。
(,,゚Д゚)「ん〜〜〜〜?」
ギコはモララーの問い掛けに反応し、首を振り向け、
(,,゚Д゚)「む〜〜〜〜」
何だか不満げな表情を露わにした。
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14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:12:53.90 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「なんなんですか。人の顔見て変な声出して」
(,,゚Д゚)「いや、な。モララー」
( ・∀・)「はい?」
(,,゚Д゚)「随分と久しぶりだな」
モララーの顔が固まった。
( ・∀・)「…………」
(・∀・ )「何言ってるんですか。ほぼ毎日会っていたじゃないですか」
(,,゚Д゚)「露骨に目を逸らしといてよく言うぜ」
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15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:14:56.21 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「いやですね、僕だって一生懸命頑張ってたんですよ」
(,,゚Д゚)「日の当たらないところでな」
( ・∀・)「毎日毎日来る日も来る日も拳銃を撃ち続け……。
寝ているときも頭の中で発砲音が鳴りっぱなしでしたよ」
(,,゚Д゚)「誰も見てないけどな」
( ・∀・)「……そのお陰で僕の腕もそこそこ上がってきましたよ」
(,,゚Д゚)「話に全く関わってないけどな」
( ・∀・)「…………」
(,,゚Д゚)「もはやお前の価値など舞台の裏側ぐらいにしか残ってないけどな」
( ・∀・)「…………」
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19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:16:52.65 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「いやそれすらも残っているのか……。
ぶっちゃけどっかの誰かも、いちいち考えるのも大変だなぁとか思っているらしいし」
( ・∀・)「ギコさん」
(,,゚Д゚)「なんだ?」
( ・∀・)「僕に未来はあるのでしょーか?」
(,,゚Д゚)「ない」
( ・∀・)「…………」
(・∀・ )「…………」
モララーは首を90°右に向ける。
その先には、手に持った文庫本に視線を落としているクーが。
彼女はその体勢のまま、モララーを見る事無く
川 ゚ -゚)「無いな」
ページをめくった。
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22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:18:53.90 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「今までお世話になりました」
(,,゚Д゚)「ときに落ち着け」
( ・∀・)「ああ、僕の価値って一体……」
川 ゚ -゚)「モルダー、あなた疲れてるのよ」
( ・∀・)「信じてくれスカリー! ……って何やらすんですか」
(,,゚Д゚)「まだまだ行けそうだな」
川 ゚ -゚)「行こうぜ、ピリオドの向こうへ……!」
( ・∀・)「何処ですかピリオドの向こうって」
川 ゚ -゚)「んー……、三重県?」
( ・∀・)「何でですか……」
(,,゚Д゚)「まあ、そういう訳で息抜きが必要だね」
川 ゚ -゚)「相変わらず繋ぎが致命的に下手くそだな」
( ・∀・)「やりたい放題にも程がありますよ」
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24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:20:53.85 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「チャチャを入れなさんな」
川 ゚ -゚)「しかし息抜きって、何処かにでも行くつもりか?」
(,,゚Д゚)「ま、そうなるかな?」
( ・∀・)「何処に行くんですかー? こんな寒いのに」
(,,゚Д゚)「軟弱な発言すんな。……とは言え最近の寒さは確かに身にしみる」
( ・∀・)「でしょう?」
(,,゚Д゚)「ふむ。となると……」
そうやって、うんうんと唸っていたギコはやがて何かを思い付いたかのように顔を上げる。
(,,゚Д゚)+ ピコーン
川 ゚ -゚)(擬音古っ)
次いで口から零れた言葉は―――
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31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:22:52.36 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚) ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです 川 ゚ -゚)
第九話
「そうだ、海、行こう」
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35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:24:53.80 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)+ ムフーン
何故か凄く自信満々そうなギコ。
対するクーとモララーの顔は冬の空のように冷たい。
( ・∀・)「ギコさん……」
川 ゚ -゚)「惜しい人を無くしたな。いや、そうでもないか」
(,,゚Д゚)「ヘイそこのボーイ&ガール。冷凍光線を俺に向けんな。
あとクーは思い直すの早過ぎ。せめて間に『……』くらい入れてよ」
( ・∀・)「流石に僕、寒中水泳の趣味は無いですよ」
(,,゚Д゚)「俺も無えよ。つーかその言い方、お前何か変な趣味でも持ってんの?」
(・∀・ )「言葉のあやです。流してください」
(,,゚Д゚)「まあいいや。その辺は後で言明してもらうとして、
早速手配するかな。思い立ったら吉日だ」
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37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:27:29.24 ID:ngapAhffO
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ギコは懐から携帯電話を取り出し、何処かに電話をかけだした。
(,,゚Д゚)「………………おう、ショボンか。俺だ。
…………。あーいや、今日は仕事の話じゃなくてな―――」
どうやら相手はショボンのようだ。彼も海に誘うのだろうか?
そんな事を考えていたモララーの横に、クーがやってくる。
川 ゚ -゚)「ま、楽しみにしているがいいさ。今日くらいはハメを外しても大丈夫だろう」
( ・∀・)「え? なんだ、クーさんも行き先知ってたんですか?」
川 ゚ -゚)「まあな。っと、そうだ。彼女らも呼ぶか。人数は多いほど良い」
そしてクーもまた同様に携帯電話を取り出して話し出した。
手持ち無沙汰になったモララーは、また賑やかな事になりそうだなぁと思う。
と同時に、ていうか普段はハメ外して無かったのか、外さずにあの行動だったのか、
じゃあ外したらどうなるのだろうか、という疑問の波に押し潰されながら、
温かいお茶を飲んで「お茶うめぇ」とか呟いていたのであった。
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39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:29:53.72 ID:ngapAhffO
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※
(,,゚Д゚)「さあやって来ました! 海です!」
(,,゚Д゚) ドンドンパフパフー
( ・∀・)(口で言った……)
モララーは微妙なテンションのギコを一瞥した後、改めて周りを見る。
彼の目に映る光景。
白い砂浜。青い空。そして360°広がる透き通った海水。
そう、彼らは今、海水浴に来ていた。
( ・∀・)(冬真っ只中なのになぁ……)
季節と合わないこの景色に、彼の脳は幾ばくかの違和を訴える。
これが時差ボケだろうか、といまいちはっきりしない頭でモララーは考えた。
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41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:32:23.16 ID:ngapAhffO
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(´・ω・`)「はっはっ。モララー君、ここは日本なんだから時差なんて無いよ」
( ・∀・)「いやあ、それは勿論承知してますが……。
てか、ナチュラルに僕の思考を読まないでくださいよ」
ショボンは白い歯を輝かせながら快活に笑う。
モララーは、『アンタそんな風に笑うタイプじゃないでしょ』
と突っ込みかけたが、夏の陽気(っぽい何か)に照らされたという事で納得した。
今、此処に居るのは、ギコ・モララー・ショボンの三名。いずれも水着姿だ。
( ・∀・)(しかし……)
(,,゚Д゚)(それにしても……)
モララーとギコの視線が、ある一点に集中する。
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42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:33:58.67 ID:ngapAhffO
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その先には、ショボン。
そして彼ら二人の頭に同時に浮かんだ疑問。それは―――
(,,゚Д゚)((何でこの男、超ビキニな水着を着てんだろう……))(・∀・ )
ドン引きである。
それはもう、すっごいドン引きである。
その気持ちのやるせなさといったら、ディ〇ニーのパレードの行列の中に
一人だけ半裸のオッサンが紛れ込んでいたのを発見してしまった時ぐらいやるせない。
ボディビルダーが使用しているソレよりも更に角度が際どい。
しかも何が許せないって、しっかりと股間周りのムダ毛を処理しているのが許せない。
迂闊なことに、ショボンが処理している最中の光景を想像してしまった。
自分に腹が立つ。
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44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:36:52.97 ID:ngapAhffO
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(;>∀<)(デリート! デリートしろ自分!)
(;・∀・)「え、えーと、それにしても凄いですね、ここ。まるで本当の海にいるみたいです」
(,,゚Д゚)「ん? お、おう、そうだな」
モララーは頭に浮かんだイメージを消し去るため、ギコに話を振った。
そう、彼が言った通り、ここは自然の産物ではない。
―――『Heaven's Garden』
それがこの施設の名前。
人の手で作り上げられた、仮初めの楽園である。
ハ_ハ
('(゚∀゚∩<らくえんだよ!
ヽ 〈
ヽヽ)
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45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:38:53.28 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「なに今の?」
(´・ω・`)「ここのマスコットキャラの『なおるよ君』だよ」
( ・∀・)「はあ」
目の前を横切る『なおるよ君』を見ながら、モララーは気の抜けた返事を返した。
( ・∀・)「しかし師匠、よく人数分の無料チケットなんて用意できましたね。
確かここってまだオープンしたばっかりなのに」
(´・ω・`)「まあ仕事柄、色んなところにコネがあるからね。
と言うより、無くちゃ情報屋なんてやっていけない」
( ・∀・)「あー言われてみればそうなのか」
納得したのか、首をコクコクと頷ける。
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46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:40:54.23 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「ていうか今、ショボンの事『師匠』って言った?
俺的にはそっちにビックリなんだけど」
( ・∀・)「え? あー……。でもまあ間違ってはいないでしょう?
現に教えてもらってる身なんだし」
(,,゚Д゚)「そりゃ間違ってはいないがな」
(´・ω・`)「訓練中はともかく、それ以外の時は別に言わなくてもいいよ、とは伝えてるんだけどね」
( ・∀・)「僕の中ではもう『師匠』で固定されちゃっているんですよ」
(,,゚Д゚)「まあ呼び方なんぞどうでもいいさ。むしろそっちの方が面白い」
そう言ってギコは、今いるこのドーム型の空間の中央を見る。
(,,゚Д゚)「つーかアイツらまだか? どんだけ準備に時間かけんだよ」
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49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:42:56.01 ID:ngapAhffO
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中央にそびえ立つは4本の柱。地上の顕界と地下の楽園とを結ぶエレベーターである。
(´・ω・`)「まあ女の子の準備には時間がかかるってのが世の常だがらね」
(,,゚Д゚)「女の子ねぇ……」
ギコは頭の中でその『女の子』らを思い浮かべる。
そこに浮き出たのは三名。クー、ハイン、つーである。
そこまで思いついたギコは、結果として溜め息をつく事になってしまった。
(,,゚Д゚)「何で俺の周りは女っ気が無い奴しかいないんだ……。
三人中二人の一人称が『俺(オレ)』だぜ? 残る一人も愛想の欠片もねえしよぉ」
( ・∀・)「あんまり迂闊な事言わない方がいいですよ。
もしクーさんたちの耳に入ったらフルボッコ確定ですよ」
(,,゚Д゚)「お前の発言も大概迂闊だぜ」
モララーが「うぐぅ……!」と呻いたところで、ショボンが気付く。
(´・ω・`)「お。お待ちかねのお姫様たちのご登場だよ」
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50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:44:53.45 ID:ngapAhffO
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エレベーターの方をショボンが見、次いでギコとモララーが顔を向ける。
川 ゚ -゚)「やあ、待たせたか?」
(*゚∀゚)「おー! すっげー! メチャクチャでけー!!」
从 ゚∀从「あんまハシャぐなよ、つー。後でバテるぜ?」
(,,゚Д゚)「さあ始まりました。水着チェックのお時間です。司会はわたくし、ギコ。
そして解説にショボンさんをお呼びしています」
(゚Д゚,,)「ショボンさん。本日は宜しくお願いします」
(´・ω・`)「こちらこそ宜しく」
( ・∀・)「なんか小芝居が始まったよ……」
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51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:46:54.05 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「さあ、まずはゼッケンナンバー1番。クーさんのご登場です」
川 ゚ -゚) バーン
(,,゚Д゚)「おおっと! なんとクーさんが装着しているのはウェットスーツだ!」
(´・ω・`)「サーファーとかが着ている、全身を覆うタイプのものだね」
( ・∀・)「クーさん、なんでそんな……って、ああ、そうか」
川 ゚ -゚)「普通の水着だと私の機械部分が丸出しだからな」
(,,゚Д゚)「ショボンさん。まさに彼女らしい、スタイリッシュな水着ですが、これをどう見ますか?」
(´・ω・`)「ふむ、そうだね」
(´・ω・`)+ キラッ
ショボンの目に光が満ち溢れる。
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52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:48:53.48 ID:ngapAhffO
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(´・ω・`)「クーの武器の一つである肌の白さを生かせない水着ではあるが……。
そんな欠点など意に介さない、必殺の長所がコレにはある」
(,,゚Д゚)「ほうほう。では聞きましょう。ズバリ、その長所とは!?」
(´-ω-`) ……
(´・ω・`) クワッ
(´・ω・`)「―――エロスだ」
(,,゚Д゚)「!!」
(,,゚Д゚)「え、エロス……っ!」
(´・ω・`)「そう、全身をピッチリと覆うソレにより
クーの均整の取れた体がありありと浮かび上がっている。
つまり生まれたままの姿で彼女はここに立っているのだ」
(,,゚Д゚) ゴクリ…
(´・ω・`)「それはもはや裸と同然……。いや、それ以上!
見えないことにより我々の想像が無限大へと広がるのだよ!」
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54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:51:53.54 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「さ、さすが解説のショボンさん……。その目の付け所はとどまることを知らない」
(´・ω・`)「なに、重要なのはコレからさ。そうだろう、ギコくん?」
(,,゚Д゚)「先生……っ!」
(´・ω・`)「これが我らの第一歩なのだ! さあ、歩み出そう!」
(´・ω・`)「いざ! レッツ・しか―――」
川 ゚ -゚)三つ#)ω゚`)
ゴッ
川 ゚ -゚)三つ ミ☆キラッ
( ・∀・)「おー飛んだ飛んだ」
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56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:53:52.46 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「さ、解説のショボンもとい変態がお星様になったところで次に移りましょう」
( ・∀・)「先生と呼んでいた割には随分冷たい反応」
(,,゚Д゚)「サクサク行こうぜ。ではもうゼッケン2番と3番を同時に見ていきましょう!」
( ・∀・)「それはやっつけって言うんですよ」
(,,゚Д゚)「うるしゃい。さあ張り切ってどうぞ!」
(*゚∀゚)
テッテレー
从 ゚∀从
(,,゚Д゚)「はい! 2番つーさん、3番はハインさんの御姉妹での登場です!」
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57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:55:56.56 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「まずは妹のつーさんの方から見ていきましょう!」
(*゚∀゚) アヒャーン
(,,゚Д゚)「形状ですが、上はハーフトップで、下はショートパンツの上に
ひらひらしたミニスカートのようなものを重ねていますね。
色合いも明るめのピンクとなっており、全体的に幼めな仕上がりになっていますが
一部の層には多大な支持を得るであろう水着です」
(´・ω・`)「ロリコンホイホイだね」
(゚Д゚,,)「うお! いつの間に!」
(´・ω・`)「そこに天使がいる限り、我は何度でも現世に還ろう。
彼女らを視界に収め、我が妄幻の世界にて愛でることこそ、
この世の唯一にして至高の道楽なのだから……」
(,,゚Д゚)「一見ソレっぽい事言ってるけど内容は完全に変態です!
時代を先取りするクリエイティブなド変態です!」
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58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 20:58:52.88 ID:ngapAhffO
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(´・ω・`)「さあ、いざ我と君だけの『楽園(パラディソ)』へ!」
三(´・ω・`) (*゚∀゚) ヒャッハー
(,,゚Д゚)「あぁーっと! これはいけません! つーさんに魔の手が襲いかかろうとしています!
手を出したその瞬間からロリコンはロリコンではなく、
犯罪者へと昇華されてしまいます!」
三(´・ω・`) (*゚∀゚)
ウヒョー
(´・ω(⊂从∀゚ 从三 (*゚∀゚)
ウヒャー
<バキドガゴスッネチョガスガスピョローン (゚∀゚*)?
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60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:00:59.83 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「悪・即・斬! 次へ行きましょう!」
从 ゚∀从 ハイーン
(,,゚Д゚)「ラストを飾るのはゼッケン3番のハインさんです。
両の拳が赤く染まっているのはご愛嬌!」
(,,゚Д゚)「上は赤色のビキニ。下はオレンジ色をメインとした、
下半身を全て覆う長めのパレオを身につけています。
エキゾチックな大人の魅力を存分に発揮していますね」
(´・ω・`)「先の二人とはまた違ったところにポイントがありますね」
(,,゚Д゚)「もう打たれ強いとかの次元を超越してますね。まあいいや、もはや驚きません。
話を戻して、そのポイントとはどの部分のことでしょう?」
(´・ω・`)「ここではパレオがキーになっています。
一見、露出が減っているようにも見えますが、
クーのケースと同様に強烈な武器があるのです」
(,,゚Д゚)「是非お聞きしましょう。それは?」
(´・ω・`)「―――『チラリズム』、です」
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61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:03:20.91 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「『チラリズム』……。 何と心躍る響き……っ!」
(´・ω・`)「ふふっ、少しは理解しているようだね。その素晴らしさを」
(´・ω・`)「彼女の場合パレオを右の腰付近で縛っている訳だが、
そうするとパレオの隙間からチラリと右足が覗くことになる。
これはチャイナドレスのそれと同等だと思ってくれていい」
(´・ω・`)「それはけして見やすいとは言えない。だがその事象、マイナスか?」
(´・ω・`)「違うっっ! その見えそうで見えないもどかしさ!
それこそが正義! It's a ジャスティス!!」
(´・ω・`)「それに加えて、ハインは高身長。
そのスラリと伸びた艶めかしい生足により倍プッシュだ!」
(´・ω・`)「フィーバーや! フィーバー2008! もうハインにレスリングタックルを
ぶちかましてパレオの中に顔をうずめたらスリーセブンでコイン大放出やー!!」
(´・ω・`)「もう耐えられるか! 思い立ったが吉日! いざ、参られませ!!」
(,,゚Д゚)「あ、ショボンさん」
(´・ω・`)「何ですか!?」
(,,゚Д゚)「ハインならつーを連れて泳ぎに行ったよ? パレオ外して」
(´・ω・`) ショボーン
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63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:05:56.86 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「さて、以上で3名の水着を見ていったわけですが……」
( ・∀・)「あのーギコさん。僕も泳いできて良いですか?
クーさんもサーフボード片手に行っちゃったし」
(,,゚Д゚)「ダメ。ギャラリーいなくなるじゃん」
( ・∀・)「やらなきゃいいじゃないですか……」
(,,゚Д゚)「うっせ。最後まで付き合え。もうちょいだから」
(゚Д゚,,)「えー話を戻しまして、ショボンさん。ぶっちゃけこの中で誰が一番良かったですか?」
(´・ω・`)「ふむ。まあ僕は大人のお姉さんから小学生まで
幅広くいけるから、どれでも美味しく頂けるけど……」
(,,゚Д゚)「流石。オールマイティーに変態ですね」
(´・ω・`)「しいて選ぶとすれば……」
?
( ・∀・) (・ω・` )
チラッ
Σ(;・∀・) (^ω^` )
ビクビクーン ニコッ
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64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:08:23.93 ID:ngapAhffO
-
(; ∀ )「っ……、ぅああああああああっ!!!」
詰まった叫び声を上げつつ、モララーがどこからともなく
取り出したものを右手に持ち、ショボンの眉間にそれを突きつけた。
(´・ω・`)「……うん、今のはなかなかの速さだ」
ショボンはうんうんと頷こうとしたが、押さえつけられているので動けなかった。
(´・ω・`)「でもこんなとこで拳銃を御披露目するのはどうなんでしょ?」
そう。モララーがショボンに押し付けたのは拳銃。
『FN ブロウニング・ハイパワー』。
天才的な銃器設計者である『ジョン・M・ブロウニング』の最後の作品。
高い実用性と信頼性から多くの国の軍隊で採用され、
“プロフェッショナルの持つ拳銃”と評された至高の一品である。
-
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:10:57.67 ID:ngapAhffO
-
( ∀ )「大丈夫ですよ師匠、ここは海なんですから。
ちょっと精巧な水鉄砲としか見えませんよ」
(´・ω・`)「いやーどうだろう……。つーかここの水ってちゃんとした海水だから錆びるよ?」
(,,゚Д゚)「俺としてはその拳銃をどこから取り出したのかが気になるが」
(´・ω・`)「……なるほど」
( ∀ )「何がなるほどなんです?」
(´・ω・`)「股間からマグナム。つまり僕にアピールしているという事だね!?」
(# ∀ )「師匠、短い間でしたがお世話になりました。脳みそブチ撒けながら死ね」
(´・ω・`)「はっはっは、冗談に決まっているじゃないか」
(# ∀ )「僕のセンサー振り切れんばかりに反応したんですけど」
(´・ω・`)「はっはっは、はっはっはっはっ」
(´・ω・`)「いやホントしまってください。調子こきました
悪ノリが過ぎましたスミマセンでした」
(,,゚Д゚)「すっごい切実だー」
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66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:13:56.78 ID:ngapAhffO
-
※
〜それからみんなで暫く泳いだ後〜
(,,゚Д゚)「かき氷がたべたい」
( ・∀・)「あーですねー」
(*゚∀゚)「オレも欲しいぞー!」
(´・ω・`)「まあ海に来たからにはね」
(,,゚Д゚)「何だみんなもか。じゃあそこの海の家に行こうぜ」
川 ゚ -゚)「おお、そうかそうか。優しいギコ君はみんなの分を買って持ってきてくれるのか」
(;゚Д゚)「ああ!? 何でそうなるんだよ。みんなで行けば済むことだろ?」
从 ゚∀从「甘いよギコ。よく落ち着いて考えるんだ」
-
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:16:53.47 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「………………何を?」
从 ゚∀从「全員で行ったら伸びるだろ」
(,,゚Д゚)「伸び……? 何がだ?」
从 -∀从「尺が」
(,,゚Д゚)「ああー……」
(,,-Д-)「うん」
(,,゚Д゚)「はい。一人で行ってきます……」
(,,゚Д゚)「ええっと、じゃあ注文を聞こうか?」
(´・ω・`)+「む、呼んだかい?」
(,,゚Д゚)「聞いたんだよ」
-
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:18:53.47 ID:ngapAhffO
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(,,゚Д゚)「早い者勝ちな。俺メロン」
(*゚∀゚)「いちご!」
(;・∀・)「え、かぶっちゃだめなの? えーとじゃあブルーハワイで」
从 ゚∀从「金時」
(,,゚Д゚)「金時ってまた……。年寄り臭いな」
从#゚∀从「あ? テメー今俺と金時ファンの両方に喧嘩売ったぞ?」
(,,゚Д゚)「どこにいんだよ、そのファン。ショボンは?」
(´・ω・`)「ケフィアで」
(;゚Д゚)「ケフィ……! え、メニューにあんの?」
川 ゚ -゚)「プレーン」
(;゚Д゚)「プレーン!? 氷オンリー? おま、どんな悟りの境地を開いたらそうなんだよ!?」
川 ゚ -゚)「いちいちツッコんでないで、さっさと行ってこい」
(,,゚Д゚)「え、ええー……」
-
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:21:53.68 ID:ngapAhffO
-
納得はいかないながらも、訴えたところでどうにもならないので、
サッサと海の家に行くことにした。
海の家は中央、エレベーターの周りに広がっていた。
それらしきものが何軒か並んでいたが、どこに行っても
味や値段は変わらないだろうと思い、一番近くの家に入る。
中は店員と客でごった返していた。いずれの人も水着を身に付けている。
ギコは人の波の合間を縫うようにカウンターへ向かう。
まわりの人の多さにしては、あまり行列はなかった。
店員がきびきび動いていて、流れが速いからだろう。
行列が無くなり自分の番に回ってきたので、ギコは一歩前に出てカウンターの正面に立つ。
(,,゚Д゚)「すみませーん」
( ´_ゝ`)「へい、らっしゃい!」
-
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:25:02.48 ID:ngapAhffO
-
ギコはカウンターに置かれていたメニュー表を指差しながら、店員に注文をしていった。
(,,゚Д゚)「えーと、コレとコレ、あとコレにコレに、と……」
( ´_ゝ`)「はいはい」
(,,゚Д゚)「うお! マジでケフィアあった!」
( ´_ゝ`)「凄いでしょ? ウチは品揃えではどこにも負けないよ!」
(,,゚Д゚)「あーっと……、その、変な事聞くけどプレーンって頼める? メニューには無いけど」
( ´_ゝ`)「お! お客さん通だねー! 裏メニューを知ってるなんて!」
(,,゚Д゚)「ええーっ……。需要あるんだ」
( ´_ゝ`)「じゃあコレらを一つずつでいいかな」
(,,゚Д゚)「うい」
ガリガリガリガリ
( ´_ゝ`)「はいおまちどう。
運びやすいようにトレーをお貸ししますんで、後で返してくださいね!」
(,,゚Д゚)「おう、りょーかい」
-
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:27:09.44 ID:ngapAhffO
-
ギコは六つのかき氷が乗った茶色いトレーを両手で持ち上げ、
(,,゚Д゚)「そぉい!!」
目の前にいる店員の頭目掛けて手に持ったそれを叩き付けた。
-
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:29:14.60 ID:ngapAhffO
-
(;´_ゝ`)「冷たぁぁああああああ!!!! お客さん何してんですか!?」
(,,゚Д゚)「コッチの台詞だ馬鹿者! お前兄者だろーが!」
( ´_ゝ`)「兄者? はて、私はそんなダンディズム溢れるような名前じゃ無いですよ」
(,,゚Д゚)「どの口が言ってんだどの口が。これから坂野兄者って呼ぶぞ」
( ´_ゝ`)「そんなすぐには理解できないようなネタは止めてくれない?」
そんな風にあーだこーだ言い合っていた二人の下に、もう一人の男がやって来る。
(´<_` )「なに騒いでいるんだ兄者。ちゃんと働け」
( ´_ゝ`)σ「俺はちゃんと働いていたさ。悪いのはコイツ」
(,,゚Д゚)「指さすな」
(´<_` )「ああ、『銀』じゃないか。いらっしゃい」
(,,゚Д゚)「兄弟の話せる方が来たか。ちょうどいい、お前から聞こう」
(;´_ゝ`)「え? じゃあ俺話せない方? ちゃんと話せるよ? ニホンゴペラペラヨ?」
-
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:30:58.71 ID:ngapAhffO
-
(´<_` )「んー……、まあそうだな。俺らの為にもアンタには話しておいた方が良いな」
(´<_` )「という訳で兄者。俺の分まで働いといて」
( ´_ゝ`)「えー俺も話すー。そして会話の流れをあらぬ方向へと吹き飛ばす」
(´<_`#)「俺に殴られて死ぬか、働いた後に叩かれて死ぬか、どっちか選べ」
(;´_ゝ`)「それ、どっちも撲殺だぞ弟者」
そう言い残して、兄者はそそくさとその場を離れた。
(´<_` )「全く……」
(,,゚Д゚)「相変わらずの仲良しさんだな」
(´<_` )「まあそれこそ付き合いは長いからな。苦労するよ」
(,,゚Д゚)「ごくろーさん。さ、本題だ」
-
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:32:53.01 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「まず、こんな所で何してんの?」
(´<_` )「バイト」
(,,゚Д゚)「おいコラ」
(´<_` )「判ってるよ。まあ生活費も必要なのも確かだが、
実際のところは『COLOR's』から逃げ回っている状況だ」
(,,゚Д゚)「逃げる? 何故?」
(´<_` )「あのままだと始末されそうだったからな」
(,,゚Д゚)「……どういう事だ?」
(´<_` )「そのままの意味さ。現に以前アンタらと戦った
『青』・『黄』・『紫』は今、全員行方不明となっている」
(,,゚Д゚)「!?」
(´<_` )「だから逃げた。俺らだって命は惜しいからな」
-
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:34:56.06 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「どうなっている? いくら任務を達せなかったといっても、そこまで……」
(´<_` )「俺らも理由は判らない。ただ、執行人は『金』、フサギコだと思われる」
(,,゚Д゚)「!」
(´<_` )「その行為は組織の為か、それとも個人的なものかは判らんがな」
(,,゚Д゚)「…………」
弟者の発言を受けて、ギコは閉口していたが、
(,,゚Д゚)「……アイツは誰かの為に、っていうキャラじゃねえよ。
奴はいつだって、自分の為にしか動かない」
隠しきれない暗い意思。
その目に宿るのは、いつの光景か。
(´<_` )「……そうか。アンタがそう言うんなら、そうなんだろうな」
-
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:37:11.35 ID:ngapAhffO
-
(´<_` )「ま、そんな訳で尻尾巻いて逃げた先がここになる。
ここは地下で隔離されているから見つかりにくいしな。
それでもあまり長居は出来んが」
(,,゚Д゚)「ふむ。で、これからどうするんだ?」
(´<_` )「前にも言った通り、俺らがやることは一つさ。
元々『COLOR's』に属していたのも研究費目当てだ。
今はもう基盤が出来上がっているから、さほど金は掛けずに済んでいるが」
(,,゚Д゚)「へっ。組織を良いように利用し、
更には手を切る為に俺たちすら使ったか。悪い奴らだぜ」
(´<_` )「研究は効率良くいかないと時間が幾らあっても足りんよ」
(,,゚Д゚)「へーへーそうですかっと」
(´<_` )「ま、アンタらが『COLOR's』を潰してくれるのを期待しているよ。
そうしてくれた方が過ごしやすい」
(,,゚Д゚)「季節が移り変わる時みたいな事を……。まあ言われるまでもねぇが」
-
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:38:58.11 ID:ngapAhffO
-
(;´_ゝ`)「弟者ー。早く復帰しれー」
(´<_` )「っと。いつの間にか客が増えているな」
(,,゚Д゚)「ああ、もういいぜ。聞きたいことは聞けたし、俺も早く帰らないと殴られる」
(´<_` )「殴……。まあいい。じゃあな」
弟者はギコに軽く手を上げると、足早に店の奥へと入っていった。
(,,゚Д゚)「ふむ。さてと……」
弟者が視界から消えたのを確認してから、ギコは再びカウンターへ向かう。
そこには最初と同様に兄者がいた。
(,,゚Д゚)「おう。つー訳でさっきのもう一つ頼む」
( ´_ゝ`)「え、さっきのって……何だっけ」
(,,゚Д゚)「それくらい覚えとけよ」
(#´_ゝ`)「君たちが談笑していた間、俺はずっと忙しかったんですぅー」
-
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:40:53.37 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「いいからさっさと作りなさい」
( ´_ゝ`)「……さっきこぼした分のお金もキッチリ頂くぞ」
(;゚Д゚)「なんだとぉ!?」
( ´_ゝ`)「いや当たり前でしょ」
二人の間にふと、沈黙が宿る。
聞こえてくるのは、少し離れたところからの人々の喧騒。
それと、兄者が氷を削る音。
-
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:42:56.39 ID:ngapAhffO
-
しばしの静寂の後。
(,,゚Д゚)「なあ」
ギコが切り出す。
( ´_ゝ`)「何だ?」
兄者はかき氷を作る機械から目を離さず、ギコに背を向けたまま答える。
機械は細かく振動を続けながら、音を発している。
(,,゚Д゚)「こないだのアレ、本気出してなかったろ?」
音が止む。
-
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:45:14.65 ID:ngapAhffO
-
( ´_ゝ`)「…………」
兄者はポリスチレンペーパーのカップに盛られた氷の上にシロップをかける。
その動作中は終始無言でギコの問いに答えようとはしない。
そんな彼の様子を気にする事も無く、ギコは話を続ける。
(,,゚Д゚)「俺が何でそう思ったか判るか?
まあ、お前らが、というか主にお前がずっとフザケてたってのも理由にしていいが」
氷の上に赤、青、緑と様々な色合いをしたシロップが満遍なくかかる。
シロップは氷の内部にまで侵入し、じわ、と広がっていく。
(,,゚Д゚)「疑念の鍵はお前らが出してきたあの鳥人間だ。
確かにアレは良く出来ていた。なかなかに強かったが」
(,,゚Д゚)「肝心のお前ら自身は何もしなかった。動くべきところで動いていなかった」
-
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:47:24.03 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「別にあの鳥出してたからって他のが出せなかった訳じゃねえだろ?
現にあのバリアみたいなのは変わらず持続していた様だしな」
(,,゚Д゚)「それにお前らの攻撃方法……。
上から下から色々生やすアレだが、どちらかと言うと後方支援の方が向いている。
お前らの本当のスタイルは鳥に前線任せて
自分らは後ろからサポートするのが正解だろう? それが一番理に適っている」
兄者は黙々と作業を進めている。
(,,゚Д゚)「極めつけは戦闘前に弟者の奴がポツリと漏らした一言だ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(´<_` )『ああ。確かに俺ら自体には戦闘力なんてのは皆無だ』
( ´_ゝ`)『だが! 俺らにはスペシャルな道具が有るのだ!』
川 ゚ -゚)『スペシャルな道具?』
(´<_` )『俺らも気紛れで『COLOR's』になった訳じゃない。少しは相手になるとは思うぞ』
(,,゚Д゚)『…………?』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:49:57.82 ID:ngapAhffO
-
(,,゚Д゚)「仮にも今からバトって敵を倒そうとしてる奴が
『少しは相手になる』なんて言わねえよ。
言う奴は余程自分に自信がない鬱々野郎かそれとも……」
(,,゚Д゚)「ハナっから本気でヤる気じゃなかったか、だ。違うか?」
( ´_ゝ`)「はいおまちどう。かき氷6個で1800円……じゃなくて、
さっきの分を合わせて3600円ね」
(,,゚Д゚)「…………」
兄者は特に無表情のまま顔を変える事も無く、ギコにかき氷を差し出す。
ギコは無言で財布からお札を取り出し、渡す。
-
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:53:27.17 ID:ngapAhffO
-
代金を払い終え、トレーを持ったギコは最後に一言。
(,,゚Д゚)「このペテン師が」
それを受けて今まで表情を表さなかった兄者が、
まるでイタズラに成功した子供のような笑顔を作る。
(,,゚Д゚)「…………」
(゚Д゚,,)...「やれやれだ」
ギコは振り返り、店を出て行く。
兄者は笑いを堪えきれないような顔のまま、
( ´_ゝ`)「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
と言って、背中を向けて去り行くギコに一礼をした。
-
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:55:55.80 ID:ngapAhffO
-
※
その後、ギコはみんなの下に戻り、彼らは思い思いにこの環境を生かして楽しんだ。
例えば―――
(´・ω・`)「じゃーん」
(*゚∀゚)「すいか!」
从 ゚∀从「何だ、ワザワザ持ってきたのか」
(´・ω・`)「擬似的とはいえ、せっかくの海だからね。すいか割りでもしようかな、と」
川 ゚ -゚)「すいか割り……!」
川 ゚ -゚) ソワソワ
-
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:57:56.84 ID:ngapAhffO
-
从 ゚∀从「何ソワソワしてんだクー? ……ああ、やりたいのか?」
川 ゚ -゚)「む……」
川 ゚ -゚) コホン
川 ゚ -゚)「い、いや、実は今までしたことが無くてな」
(´・ω・`)「じゃあ役目はクーにお願いしようかな」
川 ゚ -゚)「い、いいのか? つーとかやりたくないか?」
(*゚∀゚)「オレはすいか食べられるならそれでいいぞー」
川*゚ -゚)「で、では僭越ながら拙者に任せていただきたいで候」
从 ゚∀从「クーちゃんクーちゃんあまりの嬉しさにテンションおかしくなってるぜ」
(´・ω・`)つ「はい。アイマスクと棒ね」
-
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 21:59:53.37 ID:ngapAhffO
-
川 ゚ -゚)「で、ではアイマスクを」
川 ★-★) スチャ
(´・ω・`)「オーケー。じゃあ先ずはその場で回転しようか」
川 ★-★)「何回転?」
(´・ω・`)「えーと」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「百で」
川 ★-★)「承知」
-
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:01:52.97 ID:ngapAhffO
-
(´・ω・`)「じゃ行くよ。よーいドン」
川 ★-★)「せりゃっ!」
ギュゴゴゴゴゴゴッ
从 ゚∀从「おーすげえすげえ。局所的に竜巻発生してんぞ」
(*゚∀゚)「砂煙でクーの姿が見えないぞー」
<百っ!
バフン
3三川 ★-★)
从 ゚∀从「お、砂煙から飛び出してきた」
(*゚∀゚)「すいかへ一直線だー」
-
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:03:52.90 ID:ngapAhffO
-
川 ★-★)「ふおおおおっ!」
川 ★-★)「せいっ!」
ガッ
从 ゚∀从「すいかを右足で空高く蹴り上げ―――」
川 ★-★)「やぁっ!」
从 ゚∀从「そして自らも飛んだぁー!」
川 ★-★)「…………見えた!」
川 ★-★)「渋澤一鬼流! 切なさ乱れ斬りっ!」
スパパパパーン
-
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:06:08.03 ID:ngapAhffO
-
川 ★-★) スタッ
川 ゚ -゚) ヌギッ
(゚- ゚ 川「ショボン!」
(´・ω・`)「あいよ!」
ピューン
(´・ω・`)つ 三━━━
↑トレー
━━━と(゚- ゚ 川
パシィッ
川 ゚ -゚)つ━━━ グルン
川川川 スタスタスタッ
MMM←スイカ
川 ゚ -゚)つ ̄ ̄ ̄
川 ゚ -゚)「ふう」
-
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:08:13.58 ID:ngapAhffO
-
川 ゚ -゚)「すいか切れたよー」
(*゚∀゚)「わーい」
( ・∀・)「…………」
(,,゚Д゚)「……おや、突っ込まねえの?」
( ・∀・)「もう慣れましたし……。いちいち突っ込んでたら身が持ちませんよ」
(,,゚Д゚)「だな」
(,,゚Д゚)「しかしだな、モララーよ」
(,,゚Д゚)「おかしいと思ったところはおかしいと言うべきだ」
(,,゚Д゚)「そう言わなくてはならない。そうでなくては―――」
.
-
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:09:53.84 ID:ngapAhffO
-
.
川 ゚ -゚)「おーい、すいか食べないのかー?」
(゚Д゚,,)...「あ、食べるー」
スタスタ
( ・∀・)
( ・∀・)
( ・∀・ )
-
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:13:03.80 ID:ngapAhffO
-
他にも、例えば―――
( ・∀・)「あのー、クーさん?」
川 ゚ -゚)「ん? どうしたモララー。トイレか?」
( ・∀・)「何でトイレをワザワザ自己申告しなくちゃいけないんですか。
そうじゃなくて、ちょっとした疑問があるんですが」
川 ゚ -゚)「ふむ、それは?」
( ・∀・)「ここって人工の海だけど、本格思考で
南国の本物の海水と砂を使っているじゃないですか」
川 ゚ -゚)「ん」
( ・∀・)「という訳で砂も結構きめ細かいんですが……、
その、クーさんの機械部分の細部に砂とか入らないんですか?」
川 ゚ -゚)「ああー……」
( ・∀・)「いくら全身を覆うスーツって言っても完全密封では無いし、
海水くらいでどうこうはならないでしょうが、流石に砂は防ぎようが無いのでは?」
-
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:15:17.70 ID:ngapAhffO
-
川 ゚ -゚)「ふっふっふっ、モララーよ。我が社の科学力を甘く見てはいけないぞ。
オーバーテクノロジーとも言える科学者たちの賢才の髄を貴様は垣間見るだろう……っ!」
( ・∀・) ゴクリ…
川 ゚ -゚)「ま、と言っても細部に砂は入るんだが」
( ・∀・)「あ、やっぱ入るんですか」
川 ゚ -゚)「隙間がある以上、そこは免れないからな。しょうがない。
だが、ある動作をすれば砂など容易に排除できる」
( ・∀・)「その行為とは?」
川 ゚ -゚)「用意するのは大量の水。まあ浴槽一杯の水で事足りる」
( ・∀・)「水、ですか?」
川 ゚ -゚)「で、光を遮断し、水が張られた浴槽に一掴みの塩を溶かし、中に身を沈め」
( ・∀・)「ん? んん?」
川 ゚ -゚)「そのまま何もせずにじっとしていること二、三時間」
( ・∀・)「ちょ、ちょっと」
川 ゚ -゚)「これにて体中の砂が外に吐き出されます」
( ・∀・)「アサリかなんかかアンタ!!」
-
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:17:52.52 ID:ngapAhffO
-
また、他には―――
从 ゚∀从「レシーブ!」
(*゚∀゚)「トス!」
川 ゚ -゚)「アターック!」
(,,゚Д(○三
ボゴオオオ
三 <ギャ―――――……
(;・∀・)「ギコさんがキャプ翼の森崎くんみたいな感じで吹っ飛んでいったぁ――――っ!!!」
(´・ω・`)「ビーチバレーのボールとは思えない破壊力だね」
などなど、少々やんちゃな部分も見せつつ、愉快な時間は足早にと過ぎていった。
-
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:21:11.91 ID:ngapAhffO
-
そして。
ハ_ハ
('(゚∀゚∩<またのお越しをお待ちしているよ!
ヽ 〈
ヽヽ)
(,,゚Д゚)「あー、つっかれたー」
彼らは『Heaven's Garden』から出て、夕暮れの町の中、車を走らせている。
因みに車はショボンのもので、6人が優に乗れる広さがある。
川 ゚ -゚)「久し振りの休日でハシャぎ過ぎたか」
(´・ω・`)「ま、この疲れも心地良いものの類だし、いいんじゃないかな」
从 ゚∀从「確かに。ガキの頃と同じ感覚の疲れだ」
(*゚∀゚)「アヒャー……。オレはもっと遊んでいたかったぞー」
从 ゚∀从「つーは元気だな。
まあそれはともかく、別にこんな事はこれっきりってな訳でも無いんだ。
そう寂しがらなくてもいい」
-
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:22:54.77 ID:ngapAhffO
-
(*゚∀゚)「! ホントか!?」
(,,゚Д゚)「何でそこで俺を見んだよ?」
川 ゚ -゚)「お前が一番渋りそうだからじゃないか?」
(,,゚Д゚)「……別にそんなワガママ言わないよ?」
川 ゚ -゚)「どうだか」
(*゚∀゚)「という事はまたみんなで遊べるんだな!」
(,,゚Д゚)「ん? んん、まあ断る理由は無いし、
お前がどうしてもって言うなら付き合ってやらん事もないぞよ」
川 ゚ -゚)「ツンデレ乙」
(*゚∀゚)「やったー! 楽しみにしてるぞー!」
( ・∀・)「…………」
-
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[パターン青、猿です!] 投稿日:2009/01/09(金) 22:38:59.25 ID:ngapAhffO
-
(´・ω・`)「あれ? どうしたんだいモララー君。窓の外をぼんやり見ちゃって。考え事かな?」
助手席に座っていた静かなモララーに気付いたのは運転中のショボン。
彼は横目でチラチラと覗きながら、モララーの様子を窺う。
( ・∀・)「え、ああ、いえ。大した事じゃ無いですよ」
ハッとしたモララーは急いでショボンに笑顔を見せる。
( ・∀・)「ただですね……。今、こうやっているのが不思議だな、って」
(´・ω・`)「…………」
( ・∀・)「もしあの時、ギコさんとクーさんが僕の会社に
来なかったら、こうなっていなかったんだろうな、って」
(´・ω・`)「今の環境は、望んでいない?」
( ・∀・)「いいえ。いや、確かにこんな生活をしたいと希望していた訳では無いですが、
前よりは断然楽しいです、今」
(´・ω・`)「そう、それなら良い」
( ・∀・)「ええ、本当に良かった」
-
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:42:18.65 ID:ngapAhffO
-
会話はそこで止んだ。
ショボンは再び運転に集中し、モララーは再度外の景色を見る。
別に風景を楽しむ為に見ている訳では無い。
右から左へ流れていく目の前の光景が、自分の脳に適度に刺激を与えてくれるから、
視線をそちらに置いているだけだ。
( ・∀・)(…………)
( ・∀・)(今の生活は……、楽しい。毎日が刺激に満ちた、充実した日常。
そこにはなんにもマイナスな面は無い)
モララーが考える事。
( ・∀・)(なのに、どこからともなく湧き上がってくるこの不安は何だろう?)
それは答えが無い、返す者など一人もいない、自分自身との押し問答。
-
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:44:56.64 ID:ngapAhffO
-
( ・∀・)(とても……、僕にとってはとても大切なモノなのに)
( ・∀・)(……脆い)
( ・∀・)(触れただけで崩れそうな……、
何もかも無くなってしまうようなこの気持ちはどこから来るんだろう?)
( -∀-)(…………)
( -∀-)(僕は……)
( -∀-)(見ているだけしか出来ないんだろうか?
崩れないよう、必死に両手を重ねて祈りながら)
-
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:48:01.19 ID:ngapAhffO
-
( -∀-)(…………)
( ・∀・)(何を考えているんだ僕は?)
( ・∀・)(こんなモノはただの杞憂。弱い自分が生み出す、保身)
( ・∀・)(…………)
( ・∀・)(もし、本当に無くしてしまった時、心のキズを軽くする為の、自己防衛……)
( ・∀・)(……大丈夫)
( ・∀・)(うん、大丈夫。みんながいるし……、僕も)
( ・∀・)(僕のこの力も……、みんなを護る為にあるから、きっと。だから大丈夫だ)
-
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:51:02.12 ID:ngapAhffO
-
モララーは心の中で何度も大丈夫、大丈夫と呟く。
奥底から這いずり上がる不安を上書きするかのように。
だが、モララーは気付かない。
自身の力。
危険を予知する能力。
それこそが、彼の不安を生み出す原因となっている事を。
-
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:53:53.50 ID:ngapAhffO
-
そして同時に―――
(,,゚Д゚) 川 ゚ -゚) (´・ω・`) 从 ゚∀从 (*゚∀゚)
( ・∀・)
この内の誰かが
■■■を無くしてしまう事にも
彼はまだ、気付いていない―――
-
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:56:55.38 ID:ngapAhffO
-
( ・∀・)「…………」
「『気付いていない―――』!」
( ・∀・)「……あの」
「んあ?」
( ・∀・)「勝手に人のバックにナレーションつけるの止めてくれませんか、ギコさん?」
(,,゚Д゚)「あ、バレてた?」
( ・∀・)「バレバレです。愉快なほどに」
-
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 22:59:53.52 ID:ngapAhffO
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( ・∀・)「本気にしたらどうするんですか……」
(,,゚Д゚)「俺はいつだって本気の全力投球だぜ?」
( ・∀・)「せめてコントロールの定まった投球をしてくださいよ」
(,,゚Д゚)「なんだよー。お前が仏頂面でいたから場を和ませたんだろー」
( ・∀・)「知りません」
(,,゚Д゚)「ひどっ! そんな冷血な奴にはお仕置きだ! 喰らえ、ギコちょっぷ!」
( ・∀・)ミ ヒョイッ
(,,゚Д゚)「おいこら避けてんじゃねーよ」
( ・∀・)「避けますよ」
(,,゚Д゚)「ならばこれでどうだ!」
(´・ω・`)「人の車の中で鎖振り回さないでよ」
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129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/01/09(金) 23:02:53.38 ID:ngapAhffO
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車は賑やかな意思を内包し、進む。
個人の我など露知らず、時は不変に流れていく。
しかして人の意などは不変に非ず。
小さきモノは、疾く霧散し、無に同化する。
なれば一よりも二。二よりも三。
互いに補い、助け合えば、理に抗える。
時は待たず、反する思いは交じらわず。
物語は続く。
第九話 終わり
→第十話に続く?
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