ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:13:04.00 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「あー直撃しちゃったわね。これは勝負アリかしら?」

ガナーたちが一斉にクスクスと笑う。
その表情や仕草も、まるでコピーしたかのように全く同じだ。

ガナーがひとしきり笑った後、クーはヨロヨロと立ち上がる。
ただ、片膝が折れ、肩を落とし、背中を曲げ、頭を垂れる。
いつも背筋をピンと伸ばしている普段のクーとは程遠い姿だ。

( ‘∀‘)「まあ、まだ立ち上がれるの? 凄いわね」

川  - )「……無論、立つさ。勝負はまだ、着いていないのだから」

( ‘∀‘)「ふふっ、負け惜しみもそこまで行くと立派なものね」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:15:03.89 ID:4tOUfqTaO
川  - )「負け、惜しみ?」

( ‘∀‘)「そうよ、もう決着は着いたも同然じゃない。
       まさかそんなボロボロの状態でまだ戦うつもり?」

川  - )「…………」

ガナーの目は哀れなものを見るかのように、クーに向けられている。

だが、八つの目を持ってしても、ガナーには見えていなかった。



川  - )「悪いな、私は諦める気にはなれん。何故なら―――」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:17:03.35 ID:4tOUfqTaO
                                  .









(,,゚Д゚) ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです 川 ゚ -゚)



第六話-b
「貴様のカラクリは全て解けたからだ……!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:19:11.94 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)

クーのその目だけは、未だに強い意志が宿っていた事に。



( ‘∀‘)「……へーえ、判ったんだ」

川 ゚ -゚)「…………」

( ‘∀‘)「ホントか、それともハッタリか。いずれにせよ、そんな体でどうにか出来るの?」

川 ゚ -゚)「……どうにか出来るさ」

( ‘∀‘)「そう、出来るって言うのなら出来るのかもね。
       でも私たちがボーっとそれを黙って見ているとでも思うの?」

川 ゚ -゚)「…………」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:21:08.28 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「勝負とは非情なモノよ。自分が変身している間は
       待ってくれてるお人好しなんて、現実にはいないのよ。残念だけどね」



川 ゚ -゚)(私たちは待っていたけどな)



( ‘∀‘)「まあ、とにかく」

ガナーたちが構え出す。

( ‘∀‘)「今度こそ、終わらせてもらうわ!」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:23:17.42 ID:4tOUfqTaO
ガナーたちは今まで通り、クーを包囲網から逃さぬようにして飛びかかろうとする。

が。



川 ゚ -゚)「ストップ!!」

( ‘∀‘)「へ?」

クーが急に大声で止まるように呼びかけ、それによってガナーたちの足が止まる。

川 ゚ -゚)「おや、本当に止まってくれるのか。お前はお人好しだった、という訳だ」

( ‘∀‘)「む、何となくよ。いったい何よ?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:25:09.26 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「いや、別に何もお前たちの手を煩わせる必要は無いのさ」

( ‘∀‘)「え、何? どういう事なの?」

川 ゚ -゚)「さっきお前は言ったよな。どうにか出来るのか、とな」

( ‘∀‘)「ええ、それが?」

川 ゚ -゚)「そして私は答えた。どうにか出来る、と」

( ‘∀‘)「だからっ……、さっきから何を言って―――」



川 ゚ -゚)「今からするのさ、それをな」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:27:03.40 ID:4tOUfqTaO
そう言ってクーは右腕を持ち上げ、拳をつくり、額に持ってくる。



そして一度、正面のガナーの方に僅かに、ほんの僅かだが確かに笑いかけ―――










自らの拳で、自らの頭を打ち抜いた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:29:08.07 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「なっ……、えっ!?」

ガナーの目が見開く。これまでずっと余裕の表情を崩さなかった彼女でも、
クーの突然の自傷行為は理解できなかったようだ。

驚き、何も出来ないでいるガナーを余所に、クーは続いて二発、三発と自分の頭を殴る。

鮮血が飛び散る。
何度も何度も殴り続ける。
何かにとりつかれたかのように殴り続ける。

それは、狂気。
二つの両手は血で染まり、自分の頭は勿論、肩の辺りまで赤一色だ。

最早ガナーは何も話せない。部屋には泥道を歩いているような音だけしか聞こえない。

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:31:21.37 ID:4tOUfqTaO
やがて、止まる。
それからしばらくの間、誰も動かなかった。何も聞こえなかった。



時が止まったような錯覚を受けた。





川 ゚ -゚)「…………」

クーはうつろな目で、しかししっかりと自分の足で立っている。
顔中が血で濡れているというのに、いたって無表情だ。

(;‘∀‘)「っ……!」

生唾を飲み込む。ガナーは背中に冷たいモノを感じた。

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:33:03.87 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「な、な……」

声を出そうとする。
だが口から漏れる言葉が意味を紡いでくれない。

(;‘∀‘)「な、にをしているの……?」

喉の奥から絞り出して、ようやく自分の疑問を相手に聞けた。

その質問に対し、クーは。



川 ゚ -゚)「…………」

自分を殴りつける直前と全く同じ微笑を浮かべて。





左に飛んだ。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:35:10.26 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「えっ、あっ!?」

呆気にとられたガナーを残して、突如ガナーから向かって左に跳ねたクーは時計回りに円を描く。

そのまま一周したクーは再び元の位置である円の中心へ飛ぶ。



一瞬の後、地に伏せる音が四つ。

クーが駆け抜けた円周上に倒れるその影は。





( ∵)



『No』。

全く同じ顔をした四人の大男がクーの周り、四方に横たわっていた。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:37:05.12 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「なっ、どうして……」

川 ゚ -゚)「お前のカラクリは全て見破った、と言ったろう」

川 ゚ -゚)「お前が四人いたのも、こちらの攻撃が全く当たらないのも、
     それが全てまやかし、幻覚だったから」

川 ゚ -゚)「では何故そちらは攻撃、しかも四人分もの攻撃が出来たのか?」

川 ゚ -゚)「単純な話だ。単にその場に四人居たからだ。コイツら『No』四人がな」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:39:11.34 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「お前が私に見せた幻覚はこうだ」

川 ゚ -゚)「まず自分と『No』四人の姿を見えなくする。
     次にお前は、実在しない四人のお前、ガナーを私に見せた」

川 ゚ -゚)「無論四人の『No』と四人のガナーをそれぞれリンクさせるように見せるんだが……」

川 ゚ -゚)「ここが重要なところだ。お前は『No』とガナーをワザと『ズラして』見せた」

川 ゚ -゚)「そして私に攻撃を当てるときだけピッタリと『実像と虚像』を合わせたんだ」

川 ゚ -゚)「こうすれば、こちらの攻撃は当たらずそちらだけ当たるという魔法が完成する」

川 ゚ -゚)「後はいつ幻覚を受けたか、だが……、恐らく最初の紫の煙。アレがそうだろう?」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:41:06.11 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「…………」

ガナーはクーの話をじっと黙って聞いていたが、やがて観念したように口を開いた。

( ‘∀‘)「驚いたわ。正解も正解、模範解答よ。……なんで、判ったの?」

川 ゚ -゚)「お前の幻覚は視覚を惑わす事に重点を置いているようだな」

川 ゚ -゚)「その為、ズレが生じたんだよ。視覚と、それ以外の感覚とな」

( ‘∀‘)「……確かに私の幻覚は視覚が主だけど、一応は五感全てを惑わせるのよ?」

川 ゚ -゚)「私には、効きが薄かったようだな」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:43:04.46 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「そんな! 私のは例え『COLOR's』でも……!」

言いかけて、止まる。そしてガナーはクーをじっと睨みつけた。



( ‘∀‘)「……そう、だったわね。アナタは天才と言われた荒巻博士の
       『五人の子供たち』の内の一人。半分機械になっているその体には……」

川 ゚ -゚)「…………」



( ‘∀‘)「もう一つ聞くわ。どうやって幻覚を解いたの?
       生半可な行為じゃ、決して解けないわよ?」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:45:04.28 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「どうやって? とぼけた事を言うんだな。お前も見ていただろう?」

(;‘∀‘)「見ていた、って、もしかして!
       あの気が触れたように自分を殴っていたのは……!」

川 ゚ -゚)「勿論、幻覚を解くためだ」

(;‘∀‘)「バカなっ! そんな確証もない、解けるかどうか判らないって言うのに
       自分をあそこまで追い込んだの!? 狂っているわ!」

川 ゚ -゚)「だからと言ってそのまま大人しくやられる訳にはいかんだろう」

川 ゚ -゚)「『虎穴に入らずんば、虎子を得ず』、とは……、ちょっと違うかもしれんが」

川 ゚ -゚)「リスクを払わずに良いとこだけ取ろうなどと、甘いだろう?」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:47:03.76 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「っ……!」

川 ゚ -゚)「さあ、これでようやく1対1だ」

クーはガナーに向かって足を一歩踏み出す。





その時。

( ∵)「!!!」

川 ゚ -゚)「むっ!」

倒れていた四人の『No』の内、一人が起き上がり、クーに突進してきた。

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:49:03.73 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「くっ、コイツだけ浅かったのか!?」

少し虚を突かれたクーだが、すぐに落ち着きを取り戻す。

そして振り下ろしてくる右拳に合わせて懐に潜り込みカウンターのショートアッパー。
追撃の後ろ回し蹴りでとどめを刺す。

川 ゚ -゚)「ふう、これで―――」





( ‘∀‘)「良かったのかしら?」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:51:04.60 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「!!」

クーのすぐ後ろから声。
ガナーはクーが『No』に気を取られている間にクーの背後へと回っていた。

クーが慌てて振り向くが

( ‘∀‘)「遅い! もう一度幻に包まれなさい!」

その手には刃渡り十数センチのナイフが握られている。

ガナーが刃先をクーの顔に向けた瞬間、先端から紫の煙が噴出する。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:53:05.11 ID:4tOUfqTaO
クーはとっさに顔の前に腕を持ってくる。

( ‘∀‘)「そんな事で防げると思うの!?」

ガナーがあざ笑う。
確かにただ腕で顔を隠すだけでは、気体である紫の煙からは逃れられないだろう。
それはクーも承知の上だ。

だから。



川 ゚ -゚)「だから、こうするのさ」

クーの腕から、大砲が発射されたような音がした。

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:55:03.90 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「!?」

ガナーの紫の髪が巻き上がる。

肌に感じたのは突風。

クーの腕から大量の風が生み出され、紫の煙は上へ流され霧散してしまった。

(;‘∀‘)「なっ……!?」

何が起こったか判らないガナーは、取りあえず後ろに飛んでクーと距離を空ける。

対してクーは動くこともなく、ガナーの方を見て不敵に笑っていた。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:57:05.28 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「くっ」

完全に決まったと思っていたガナーは予想外の展開に焦り出す。

(;‘∀‘)「今いったい何をしたの!? 答えなさい!」

川 ゚ -゚)「いいぞ。教えてやろう」

(;‘∀‘)「っ……!」



川 ゚ -゚)「……………」

( ‘∀‘)「……? どうしたの? 教えてくれるんじゃないの?」



川 ゚ -゚)「ああ、済まんな。いや、これがホントの出血大サービス―――」

(#‘∀‘)「くだらない事言ってないで、ちゃっちゃと言いなさい! あと空気読め!」

川 ゚ -゚)「むう……、自信あったのに」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 20:59:44.44 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「まあいい。私の両手両足が機械なのはもう知っているだろう?
     さっきのはそれらの機能さ」

そう言ってクーは片腕をガナーに真っ直ぐ向ける。

川 ゚ -゚)「さっきしたのは、これだな」

そして先程と同じような発射音が鳴る。
クーの腕から風が発生した。地面の埃が舞い上がった。

川 ゚ -゚)「私の腕は空気を取り入れる事が出来る。しかもかなりの量を、高密度で、な」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:01:27.20 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「空気……」

川 ゚ -゚)「使用しているのは何の変哲もない、そこらにある
     ただの空気だがな、これがなかなか馬鹿に出来ない」

川 ゚ -゚)「そして溜め込んだ空気を一気に吐き出す。
     排出する空気の密度を最小にすれば、さっきのようにちょっとした突風が起こせるし、
     密度を最大にして撃ち出せば……」



瞬間、轟音が響き、ガナーの目の前からクーがいなくなる。

(;‘∀‘)「えっ、あ、い、一体どこに、」





川 ゚ -゚)「この様にかなりの高速で動くのも可能になる」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:03:05.47 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「!!?」

川 ゚ -゚)「はあっ!」

後ろを振り向くと同時に、ガナーの腹部にクーのサイドキックがヒットした。

(;‘∀‘)「かああっ!」

吹き飛ぶ。そして受け身を取る事も許されずに地面を転がった。

川 ゚ -゚)「以上、講義終了だ」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:05:03.84 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「くっ、うううっ……」

ガナーが腹部を手で押さえながら立ち上がる。結構なダメージを与えたようだが……



川 ゚ -゚)(倒しきれなかったか)

完全に裏をつき、相手が無防備な状態で一撃を入れたというのに勝負を決める事が出来なかった。

この理由としては、ひとえにクー自身のダメージも尋常ではなかったからだ。
よっていま一歩踏み込めず、不完全な打撃に終わってしまった。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:07:14.62 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)(私の体も、後どの程度動けるのか怪しいところだ。
     出来れば、相手が戦意喪失してくれればいいが……)

そう思い、ガナーの方を見やる。彼女はこちらを睨みつけている。
闘志はまだ、衰えていないように感じる。



クーが話し掛ける。

川 ゚ -゚)「君があの紫の煙をあとどのくらい発射できるかは判らないが、
     私のコレ……、私は『圧空(プレス)』と呼んでいるが、コイツは無制限に使える。
     何せ弾はそこらにある空気だからな。よって、君の煙はもう私には通用しない。
     君は攻撃手段を失った訳だが、まだ続けるのか?」

揺さぶりをかける。自分は圧倒的に不利だ、と相手が思い込めば良しと思っての発言だ。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:09:04.49 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「……ふ、」

( ‘∀‘)「ふふふっ。残念ね、アナタは楽をしたいのかもしれないけど、そうはいかない。
       このまま終わらせてあげないっ……!」

川 ゚ -゚)(バレたか)



川 ゚ -゚)「……だが、お前に勝ち目は有るのか? 現時点でのダメージは私の方がずっと上だが、
     まだ支障なく動ける。それに純粋な近接戦闘は私の専門分野だ」

( ‘∀‘)「そうね。確かに私は人任せの戦法を好むけど、
       だからって自身が戦えない訳じゃない。それに、」

ガナーはナイフを持ち直して前傾姿勢をとる。

( ‘∀‘)「私にはまだ手が残っているわ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:11:03.70 ID:4tOUfqTaO
ガナーが構えたのを見て、クーも戦闘態勢に入る。

川 ゚ -゚)(手は残っている、か。それが何かはハッキリとしないが、
     取りあえずあのナイフには気をつけよう。出来れば、触れずに倒したい)

クーが感じた危険性。その予感は当たっていた。

刃に塗られているのは即効性の筋力弛緩剤。
そのナイフて傷付けられたら、常人ならそのまま心臓が止まってしまうほどの猛毒。
例えクーでもそれを受けたら、即座に体の自由が利かなくなる。
そうなれば終わり。後は喉をかっ切るか心臓を一突きにするかはガナーの思うままだ。



今ここに、クーの『完封勝利しか許されない』戦いが始まる。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:13:03.94 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「いくわよ!」

ガナーが真正面から突っかけてくる。クーはまずは様子見と待ち構える。

( ‘∀‘)「ふっ!」

右手に持ったナイフをクーの左肩辺りに突き出そうとする。

川 ゚ -゚)「!?」

だが、それは途中で止まり、間髪入れずに左のハイキックが飛んでくる。

川 ゚ -゚)「つうっ……!」

意識を完全にナイフのみに向けていた為に反応が遅れる。
何とかガナーの足と自分の頭の間に右手を挟み込めたが、あまり効果は無かった。
衝撃で体が曲がる。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:15:03.91 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「そこっ!」

体勢を崩したクーにここぞとばかりにナイフを繰り出してくる。

クーは左手を引き上げ、ガナーの右手首に甲の部分で打ちつけて軌道をズラした。

そしてそのままガナーの手首を掴み、捻り上げて極めようとするが。

( ‘∀‘)「! せあっ!」

自らその場で一回転。関節技を抜ける。

ナイフを左手に持ち替え刺突してくるので、クーは手を離し距離を取った。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:17:03.66 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「ふぅ。何だ、なかなか良い身のこなしをするじゃないか」

( ‘∀‘)「ま、あれくらい出来なきゃ『COLOR's』なんてやってられないわよ」

川 ゚ -゚)「違いない」

それでは、とクーが言葉を繋げ、



川 ゚ -゚)「今度はこちらが攻める番だな」

空砲が鳴り響く。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:19:06.09 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「っ!!」

クーが『圧空』でガナーとの距離を零にする。

瞬間移動と大差ないようなその動きでガナーの斜め後ろに回ったクーはフック気味の拳を放つ。

だがガナーはとっさに前方に飛び、間一髪で回避した。

(;‘∀‘)「くっ、さっきは初見だったからもらったけど、二度目以降はそうはいかないっ!」

ガナーは振り向いてクーに威嚇する。
しかしクーは余裕なのか、追わずにのんびりと突っ立ちつつ、返答する。

川 ゚ -゚)「そうだな。やはり全く同じでは逃げられるよな」



川 ゚ -゚)「では、次だ」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:26:00.74 ID:4tOUfqTaO
再びクーが跳躍。

ガナーは視界からクーが消えたのを確認。
後方に気配を探知すると、同じ様に前に飛んで逃れようとする。



しかし逃れた先に、いきなりクーが姿を見せる。

(;‘∀‘)「なっ!?」

川 ゚ -゚)「二度同じでは駄目だ、と自分で言っただろう?」

クーの右ストレートにより、ガナーが水平に舞った。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:28:04.24 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「くああっ!」

しかし、ガナーはギリギリで反応していた。
ガードは間に合わなかったが、インパクトの瞬間に
自分から後ろに飛ぶ事でダメージを減らしたのだ。
しかし不意を突かれたが為に精密な動きは出来ず、ほとんど拳の勢いを殺せなかった。

ガナーは地面に倒れ込む。

(;‘∀‘)(マズい!)

ガナーはすぐさま起き上がり構える。追撃を懸念しての事だ。



だが。

ガナーが心配していた第二波は来なかった。

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:30:04.71 ID:4tOUfqTaO
クーはまたもやその場に立ちつくしてガナーを見ている。

( ‘∀‘)「…………?」

ガナーは不自然に思ったが、今は先に聞くべき事がある。

( ‘∀‘)「アナタ、今何を……?」

川 ゚ -゚)「ふっ、思慮が足りてないんじゃないか? ……人間には二本の足があるんだぞ」

( ‘∀‘)「! そうか、二連……」

二連。
つまりクーは最初に片足で『圧空』、着地後すぐに残りの足で『圧空』をしたのだ。
その連続発射により、ガナーが逃げた先に現れたのだ。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:32:10.71 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)(と、なると……、一回目を辛くも逃れたところで何の意味も無い。
       逃げれば逃げるほど追い詰められるだけ……)

ガナーの顔に一滴の汗が流れる。

(;‘∀‘)(くっ、あんな目で追えない動きに一体どう対応したらいいの!?
       ……唯一の救いは、こちらのナイフを気にしてか、
       直接突っ込んで攻撃しない事だけど、それでもジリ貧だわ)



川 ゚ -゚)「もう一度聞こう。投降する気は無いか?」

(;‘∀‘)「!!」

ガナーの心の揺らぎを読んだのか、クーが降参するように呼びかける。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:34:00.70 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「…………」

( ‘∀‘)「その気は、無い」

ガナーはキッパリと拒絶を示す。

川 ゚ -゚)「そうか。では続きだ」

(;‘∀‘)「!!」

クーが姿を消す。
逃げても後は無いが、逃げない訳にもいかない。

とっさに前に飛び出す。

しかし、このままでは同じだ。またクーに先回りされる。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:36:04.12 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「こぉ、のっっ……!!」

イチかバチか。無理矢理に体を倒して進行方向を変えようとする。

(;‘∀‘)「あっ!?」

しかし足が追いつかない。勢い余ってその場に転倒してしまう。

(;‘∀‘)「…………!」

無様。この上なく不格好だ。

しかし今はどうでもいい。いくら上品に繕おうが負けたらそこで終わりなのだ。

(;‘∀‘)(早く起きないと……!
       転んだお陰で攻撃は避けられたみたいだけど、今度こそ追撃が来る!)

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:38:03.76 ID:4tOUfqTaO
ガナーが顔を上げる。その目に入ったのは。



川 ゚ -゚)



ガナーを目前に仁王立ちする、クーの姿。

二人はしばし見つめ合う。
その時間が長かったのか短かったのかは、ガナーには判らなかった。

やがてガナーの頭に浮かんでくるのは、先程よりも強くなった疑問。



(;‘∀‘)(…………何故)



(;‘∀‘)(何故、攻撃してこないの……?)

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:40:31.33 ID:4tOUfqTaO
ガナーが軽く混乱していると、ここでようやくクーに動きが見られ出した。

視線は下、ガナーを捉えて、左拳を振りかざしている。

(;‘∀‘)(っ! マズっ!)

ガナーはハッと我に返り、慌てて横に転がった。

ガナーがつい先程までいた場所に金属の拳が振るわれる。
地面のコンクリートが音を立てて割れた。

ガナーはすぐに立ち上がり、体を起こすクーの正面で構える。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:42:06.68 ID:4tOUfqTaO
お互い無言で見つめる。



ガナーは考えていた。
どうにも腑に落ちない事が多すぎる。

( ‘∀‘)(おかしい……、相手の様子が変だわ)

( ‘∀‘)(さっきだってそう。私が決定的な隙を晒したっていうのにすぐに攻めなかった)

( ‘∀‘)(それにようやく動いたと思ったら、
       地に伏せている私に対して何故か『腕を使って』攻撃してきた)

( ‘∀‘)(普通は足を使って蹴りつけるなり踏み潰すなりするはず)

( ‘∀‘)(何故足を使わなかったのか。この答えは恐らく……)



( ‘∀‘)(使わなかった、ではなく『使えなかった』)

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:44:03.86 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)(たぶん、あの『圧空』とかいうのを使ったら、一定時間その部位が使えなくなる)

( ‘∀‘)(そうなると、『圧空』も連続で使えないんでしょうね)



( ‘∀‘)(……あと判ってる事は)

( ‘∀‘)(あの動きは直線にしか動けない、ってとこね)



( ‘∀‘)(この欠点を突けば、……勝てる)

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:46:03.83 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「随分と長く考え事をしているんだな」

( ‘∀‘)「!」

ガナーは声に反応して前を見る。
クーは動いていない。

( ‘∀‘)「あら、アナタもノンビリしていたじゃない?」

川 ゚ -゚)「お前を待っていただけさ。余計で気紛れな親切心だ」

( ‘∀‘)「自分から言うのね。でも、余計じゃなかったわよ。現に私の考えはまとまったし」

川 ゚ -゚)「だから余計なんだろう?」

( ‘∀‘)「ふふっ、それもそうね。じゃあそろそろ……」



川 ゚ -゚)「終わりに、しようか」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:48:03.79 ID:4tOUfqTaO
互いに睨み合う。
場の空気が肌を刺す。
まるで濡れた和紙が全身に貼り付いているかのようだ。少しでも動いたら、破れてしまう。

( ‘∀‘)(終わりに、って事は向こうも決めにかかるつもりね)

ナイフを持つ手に力が入る。
今にも前に飛び出しそうな体をじっと押さえ込む。



ガナーは理解している。

タイミングが命。
少しでもズレたら倒れるのは自分だ、と。

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:50:15.15 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「では、行くぞ」

(;‘∀‘)「!」

高らかになる空砲。
終劇の開幕を告げる音。
その音を聞いたガナーは、徒競走のスタートのように、再び前に飛び出す。

(;‘∀‘)(第一波はこれでいい! 肝心なのは次の第二波!)

ガナーが前に出た瞬間、既にクーは切り返して彼女に迫ってきているのだろう。

(;‘∀‘)(ここを何とかしてやり過ごす……!)

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:52:13.89 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)(その方法……、攻略のヒントはさっきの転倒にある!)

ガナーは背中を丸め、出来るだけ地面近くに体を持って行く。

( ‘∀‘)(彼女は既に二回『圧空』を使って、今は両足ともマトモに動けない状態。
       つまり下段への攻撃は瞬時には行えない!)

ガナーはほふく前進のように体を伏せた状態から、そのまま反転。
そこにいるであろうクー目掛けて、
すくい上げるようにしてナイフを思いっ切り振り上げた。

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:54:03.60 ID:4tOUfqTaO
ガナーは前を見ずに攻撃した。
確認している暇は無かったし、クーは必ずそこにいるのだと確信していたからだ。



ガナーが思い描いていたシナリオ。

その場を動けず、避ける事が出来ないクーの胸に刺さる猛毒のナイフ。

飛び散る赤。
一度だけ大きく跳ねる体。
光を失う両眼……。





その思いは、天へ昇る煙のように消えていく。

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:56:32.62 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「!?」

ガナーがナイフを振り上げながら前を見た時、それは彼女が予測していたのとは違う情景だった。

クーは確かにその場にいた。そこは間違っていない。
ただ違うところがあるとすれば。



クーが足を曲げ、屈んでいたという事。

予想外の光景にガナーの思考は止まる。
しかし、自分の体は止まらない。

クーは彼女をじっと見ていた。
一秒にも満たない間、ずっと目が合っていた。

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 21:58:08.16 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「っっ……!」

ガナーは上に向けていたナイフを水平に持っていく。
その先にあるのはクーの顔。

だが、後少しでその白い肌に触れるというところで。



クーの全身は一瞬だけ黒い影となり、そして消えた。







衝撃が、ガナーを押し潰した。

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:00:03.87 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「ここまで、だな」

(;‘∀‘)「…………」

ガナーが仰向けで倒れている。その上にはクーが乗っている。
そしてガナーの額にはクーの左拳が押し付けられていた。

(;‘∀‘)「…………」

川 ゚ -゚)「何が起きたか判らないか?」

(;‘∀‘)「……あの場から、アナタが、急に消えて……」



(;‘∀‘)「急に、消えて……?」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:02:03.79 ID:4tOUfqTaO
(;‘∀‘)「アナタ……」

川 ゚ -゚)「ああそうだ。『圧空』を使った」

(;‘∀‘)「そんな……。アナタはもう二回使ったはず……。連続では使えないんじゃ……?」

川 ゚ -゚)「そうだ。『圧空』は同じ箇所を連続して使用できない。
     それを踏まえた上でお前に質問しよう」



川 ゚ -゚)「『圧空』は全身を使って何連続撃てると思う?」

(;‘∀‘)「!!」

川 ゚ -゚)「言いたい事は判るな。私は、手の『圧空』で移動したんだ」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:04:21.78 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「私はお前が次で決めに来る事は読めていた。
     だから『終わりにしよう』と言ってこちらも勝負に出ると思わせる事で、
     尚更お前が勝負に出ざるを得なくなるようにさせた」

川 ゚ -゚)「そしてお前は攻め込んだ。私がバラまいた餌に食いついて、な」

(;‘∀‘)「え……?」

川 ゚ -゚)「お前に気付かせるようにしたのさ。
     『圧空』は同じ箇所での連続稼働は出来ないという情報を」

(;‘∀‘)「っ!」

川 ゚ -゚)「だから何度も同じ行為を繰り返した。
     その際、『圧空』は両足の分だけを使う事に注意してな」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:06:43.81 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「そしてお前は襲いかかる。両足が動かないのだから、当然下から」

川 ゚ -゚)「後はいいな?
     あらかじめしゃがんでいた私は腕の『圧空』で地面を押し、宙に舞う」

( ‘∀‘)「それから、アナタを見失った私にのしかかり、
       マウントポジションを取ったって訳ね」

川 ゚ -゚)「そうだ。
     で、お前に押し付けているこの左手。
     ……最後の、四発目の『圧空』だ」

( ‘∀‘)「…………」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:09:03.60 ID:4tOUfqTaO
川 ゚ -゚)「最後にもう一度聞こうか」



川 ゚ -゚)「……投降しろ」

( ‘∀‘)「…………」



静寂が訪れる。

クーはガナーの目をじっと見る。

ガナーも、目を逸らす事無く見つめ返す。



やがて、静かにガナーの口が開いた。

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:11:03.79 ID:4tOUfqTaO
( ‘∀‘)「そうね。もうどう考えても私に勝ち目は無いからね。投降するわ」

川 ゚ -゚)「…………」





( ‘∀‘)「―――何て言えたら、楽なんだけど」

ガナーはクスリと笑う。

( ‘∀‘)「私も、悲しい事に戦いでしか自分の価値を表せないのよね。こんな麗しい女だってのに」

( ‘∀‘)「でも、それでも私は戦士だから……」

顔が、真剣なモノに変わる。



( ‘∀‘)「敵に与する事なんて、出来ない」

ハッキリと、気丈に、そう答えた。

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/10/14(火) 22:13:04.30 ID:4tOUfqTaO
再びの静寂。
その間も二人は見つめ合い、そして―――







川 ゚ -゚)「―――見事だ」





部屋に、何度目ともなる空砲が撃ち出された。



第六話-b 終わり

   →第七話に続く?


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