ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです
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4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 21:59:10.54 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「……」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
季節は、夏。
梅雨の時にはほとんど引きこもっていた太陽。
今ではその鬱憤を晴らすかのごとく、鬱陶しいぐらい自己主張をぶちかましてきやがる。
何故だ、太陽。
何故お前はこのクソ暑い時期に限ってさんさんと輝くんだ。
恨みでも有るのか俺に。てゆーか人類に。
……いかん。
余りの暑さに地の文までおかしくなっている。
自重しろよ、と自嘲する。
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5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:01:06.25 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「……」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
(,,゚Д゚)「……なあ」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
(,,゚Д゚)「……暇すぎる」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
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6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:03:56.21 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「仕事が、依頼が来ねえ」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
(,,゚Д゚)「何故なんだ?」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
(,,゚Д゚)「……何か反応しろよ」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
(,,゚Д゚)「あー、もういいよ! 判ったよ! こうなったら―――」
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7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:06:13.73 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚) ここは解決屋『シルバー&ブラック』本社のようです 川 ゚ -゚)
第三話-a
「ショボンのところに行くぞ!!」
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9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:08:08.14 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「ショボン、ってどなたですか?」
(,,゚Д゚)「ようやく答えを返しやがったな」
( ・∀・)「いや、そういうルールかと思いまして」
(,,゚Д゚)「何のゲームをしていたんだよ俺たちは?」
川 ゚ -゚)「ギコ。そんな事よりショボンを」
(,,゚Д゚)「おう、そうだったな」
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11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:10:16.80 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「えーとショボンってのは……」
( ・∀・)「てのは?」
(,,゚Д゚)「……」
( ・∀・)「どうしたんですか?」
(,,゚Д゚)「説明すんのダリい……」
( ・∀・)「全放棄した!」
川 ゚ -゚)「今から会いに行くのだろう? そこで直に紹介すればいいさ」
(,,゚Д゚)「ですよねー。じゃパッパと行きますか」
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13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:12:16.87 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「さあ! 我が愛車の『シルバーウルフ号』で
溶けそうなアスファルトの上を駆け巡ろうぜ!!」
( ・∀・)「どう見ても灰色です。本当にありがとうございました」
(,,゚Д゚)「グレーじゃない! 銀色だ! シルバーなんだ!!」
川 ゚ -゚)「はいはいワロスワロス。さっさと行くぞ」
(,,゚Д゚)「シルバーなんだ!!」
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14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:14:36.34 ID:QWM2W5z2O
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運転中。
(,,゚Д゚)「ちへいせーんにーとーどくーよーにぃー♪」
(・∀・ )「今日のギコさん、やたらテンション高いですね」
川 ゚ -゚)「暑いからな」
(,,゚Д゚)「げんかいーまでぇーふりきってーくぅーれー♪」
(・∀・ )「さっきから同じところを繰り返し歌ってますけど」
川 ゚ -゚)「暑いからな」
キキー
(,,゚Д゚)「とーちゃく!」
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15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:17:03.55 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「ここは……」
中央の通りから少し外れた狭い道の一角。
日の光も完全には届かず、少し薄暗いところにそれは建っていた。
( ・∀・)「バー、ですか?」
(,,゚Д゚)「ご名答。ショボンはここのマスターだ」
立て看板には『バーボンハウス』と書かれてある。
それがこの店の名前のようだ。
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16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:19:14.78 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「でも、まだ開いていないみたいですけど」
店内には人がいる気配が感じられない。
そして何より、入口のドアに『closed』と書かれた板がぶら下げられていた。
(,,゚Д゚)「大丈夫。アイツはこの時間帯、店の準備をしているんだ」
そう言ってギコはドアを開いた。
( ・∀・)「いいのかなー」
川 ゚ -゚)「まあ、いつもやっている事だし」
二人も後を追って店の中に入った。
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17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:21:04.90 ID:QWM2W5z2O
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まだ外は明るいというのに、店内は薄暗かった。
だが中の様子を見る限りでは、かえってその暗さが不思議と合っていた。
営業中でもこれぐらいの明るさにしているのかもしれない。
あまり広くない空間に木製のカウンターと椅子が並べられている。
カウンターの奥にはたくさんのリキュールやスピリッツのビンが置かれた棚があった。
全体として、静かな印象。だからと言って居心地は悪そうではなく、むしろ良さそうだ。
ひとりで飲むにはちょうど良いかもしれない。
(,,゚Д゚)「ショボン! いるか!?」
ギコがカウンターの奥の方に声を飛ばした。
すると物音が聞こえ、足音と共に一人の男が現れた。
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18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:23:18.31 ID:QWM2W5z2O
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(´・ω・`)「やれやれ。君たちは何でいつも営業前に来るの? 営業中なら僕も喜んで迎えるのに」
奥から出てきたのはタキシードで身を包んだ若い男。歳はまだ20代だろう。
その顔からは穏やかな雰囲気をかもし出し、人の話を懇意に聞いてくれそうな感じだ。
バーのマスターとしては最高のアビリティであるだろう。
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20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:25:05.30 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)ノ「いよっ、ショボン! 相変わらずしょぼくれた顔してんな!」
(´・ω・`)「これは生まれつきだよ」
川 ゚ -゚)「ギコ。あまりそんな事を言うな。落ち込んでしまっているじゃないか。見ろ、あの顔」
(´・ω・`)「いや、そんなに落ち込んでない……」
川 ゚ -゚)「全く。君はデリカシーというものが無いな。
本当の事とはいえ、そのまま伝えては相手が傷付く」
(´・ω・`)「え、あの……」
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21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:27:03.89 ID:QWM2W5z2O
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川 ゚ -゚)「だからこういう時は、そうだな……」
川 ゚ -゚)ノ「やあ、ショボン。今日も魂を死神に奪われたかのようにフラフラと歩きながら
会社に吸い込まれていくサラリーマンのような顔をしているな」
川 ゚ -゚)「といった感じにだな」
(´・ω・`)「ねえ、クー」
川 ゚ -゚)「どうした、ショボン?」
(´・ω・`)「それ絶対わざとだよね」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)b「当然だ」
(´・ω・`)ショボーン
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23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:29:42.32 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)(ひどい言われようだ……)
モララーはフルボッコにされているショボンと呼ばれた男を見る。
いつもこんなやり取りをしてるんだろうな、という事が予想され、同情した。
モララーが心の中で敬礼をしていると、ショボンがモララーの方を見た。
ようやく新しい顔に気付いたようだ。
(´・ω・`)「おや、こちらの方は……?」
(,,゚Д゚)「おう、そうだ。今日は新入りを紹介しに来たんだ」
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25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:31:48.98 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「あ、初めまして。モララーと言います」
(´・ω・`)「ああ、僕はこのバーのマスターをしているショボンだ。宜しく、モララー君」
お互いに簡単な自己紹介をして、握手を交わした。
(´・ω・`)「それにしても」
ショボンはモララーの顔をまじまじと見る。
モララーは居心地が悪くなり、少し困った表情を見せた。
(´・ω・`)「おっとごめん。気を悪くさせてしまったかな。
まさか彼らが新しい仲間を入れるとは思わなくてね」
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26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:34:03.90 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「何言ってんだ。デスクワークが出来る人間を
加えた方が良いってアドバイスしたのはお前だろ?」
(´・ω・`)「確かにそう言ったけど、本当に入れるなんて……。
よっぽど気に入られたんだろうね、君は」
( ・∀・)「毎日遊び道具にされているだけなんですが」
(´・ω・`)「それが気に入られている、という事さ」
( ・∀・)「なんてはた迷惑なんだ……」
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27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:36:05.39 ID:QWM2W5z2O
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(´・ω・`)「それに君もマトモな人間、って感じじゃないしね」
( ・∀・)「はあ……」
(,,゚Д゚)「一番マトモな事やってねえ奴が何言ってんだよ」
(´・ω・`)「失礼な」
川 ゚ -゚)「……でも自覚はあるだろう」
(´・ω・`)「ちょっと、ね」
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29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:38:05.61 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「どういう事です? 普通のバーのマスターなんじゃないんですか?」
(,,゚Д゚)「それはカモフラージュだ。こいつの本業は情報屋であり、武器商人でもある」
(;・∀・)「ぶ、武器商人ですか?」
(´・ω・`)「いやいやいやいや。本業はバーだって」
(゚Д゚,,)「え? そうなん?」
(´・ω・`)「そうなんだよ」
(゚Д゚,,)「この店にバーの客が入ってんの、ほとんど見たこと無いぞ」
(´・ω・`)「それは君たちが営業中に来ないからでしょ……」
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31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:40:05.78 ID:QWM2W5z2O
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川 ゚ -゚)「まあ、ショボンの妄想は置いといて」
(´・ω・`)「現実です」
川 ゚ -゚)「情報屋として尋ねたい。何か仕事になるようなものはないか?」
(´・ω・`)「ん? 何だ、暇してたの?」
(,,゚Д゚)「してなきゃ来るかよ」
(´・ω・`)「来てよ」
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32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:42:06.54 ID:QWM2W5z2O
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川 ゚ -゚)「で、有るのか? 何か」
(´・ω・`)「いや、残念だけどこっちにも情報は入って……」
ふと、ショボンが黙り込んでしまった。
些細な隙間。
その不自然さをギコは見逃さなかった。
(,,゚Д゚)「ショボン、あるんだな?」
(´・ω・`)「いや、あるって言うか……」
(,,゚Д゚)「何だよー、出し惜しみするなよー」
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33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:44:05.26 ID:QWM2W5z2O
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(´・ω・`)「正直、お薦め出来ないんだよね」
川 ゚ -゚)「詳しく聞きたいな」
(´・ω・`)「……しょうがないな」
ショボンは肩を落とし、より一層しょぼくれながら話し始めた。
(´・ω・`)「依頼の内容は……潜入捜査、って事になるのかな?」
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34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:46:03.85 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「潜入場所はある廃ビル。近々取り壊す予定だそうだ」
川 ゚ -゚)「そんなとこに潜入して何があるって言うんだ?」
(´・ω・`)「何かがあるって言うより、あるものが取り付けられたんだよ」
( ・∀・)「それは一体?」
(´・ω・`)「爆弾、だよ」
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35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:48:05.92 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「爆弾ねぇ……」
川 ゚ -゚)「それはビルを片づける工事用の爆弾、とは当然違うんだな?」
(´・ω・`)「うん。依頼してきた人が言うには、脅迫状まがいの手紙に
爆弾を仕掛けたっていう内容が書かれてたってさ」
( ・∀・)「聞くだけ無駄な気がしますが、警察には……?」
(´・ω・`)「届けないでくれ、との事だ」
( ・∀・)「まあ、予想通りです」
川 ゚ -゚)「それで結局何をすればいいんだ? 爆弾処理か?」
(´・ω・`)「いや、仕掛けた犯人の手掛かりを探す事だよ」
(´・ω・`)「依頼の内容はこんなところだね」
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36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:50:03.62 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「なーるほどね。確かにきな臭いな」
川 ゚ -゚)「不明瞭な部分もたくさんあるしな」
( ・∀・)「不明瞭、と言うと?」
川 ゚ -゚)「まず爆弾を仕掛けた犯人は、何故廃ビルなんかをターゲットにしたのか?」
(,,゚Д゚)「そんなもん壊したところでたいしたダメージ無いしな」
川 ゚ -゚)「しかもそこまでしているのに犯人からの要求は何もない」
(´・ω・`)「うん。脅迫状にも爆弾を仕掛けた事しか書いてないね」
(,,゚Д゚)「狙われているのも警察の厄介になれないとこだ。間違いなく何か隠してるだろうな」
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38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:52:18.42 ID:QWM2W5z2O
-
( ・∀・)「なるほど。確かにこれは……」
(・∀・ )「止めておいた方がいいですね」
(,,゚Д゚)「え? 引き受けるけど?」
(・∀・;)「あれっ!?」
(・∀・;)「いやいやいや! 今のは止しておきましょうっていう流れだったでしょ!!」
川 ゚ -゚)「モララー。君もいい加減学習するんだ。
ギコはこういう怪しそうなものにこそ、首を突っ込みたがるという事を」
(;・∀・)「あう……」
-
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:54:05.20 ID:QWM2W5z2O
-
(´・ω・`)「はあ……。こんな事になるだろうから言いたくなかったんだけど」
川 ゚ -゚)「済まんな」
(´・ω・`)「君が謝る事じゃ無いさ。でもギコ」
(,,゚Д゚)「ん? 俺は行くぞ?」
(´・ω・`)「今更止めはしないよ。でも十分罠には気をつけるんだ。
恐らく……、いや、確実に何かあるから」
(,,゚Д゚)「へっ。誰にもの言ってんだよ。それに今の俺には秘密兵器がある」
-
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:56:05.13 ID:QWM2W5z2O
-
(´・ω・`)「秘密兵器?」
(・∀・ )「……? そんなのありましたっけ、クーさん」
川 ゚ -゚)「……」
(,,゚Д゚)「なあ、モララー」
( ・∀・)「え?」
川 ゚ -゚)「……頑張れよ」
-
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 22:58:04.42 ID:QWM2W5z2O
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※
ある街の風景。
無数の人。
列をなす自動車。
街頭テレビから流れるBGM。
それらが絡み合い、混ざり、一つとなって。
それが、街となる。
そのすべてが、街そのものとなる。
複数のファクターの集合体である、街。
その欠片――つまりは街の細胞として。
一つのビルがそびえ建っていた。
-
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:00:04.75 ID:QWM2W5z2O
-
街が街として存在するために、そのビルは無くてはならない。
だが、そのビルで無くてはならないという訳ではない。
要はそこに在ることが重要なだけ。
別にそれが別の何か――例えばデパートであっても何も問題は無いのだ。
故にその存在は希薄。
街の一つとしてそのビルを見る人はいても。
ビルそのもの、ビルのみを見る人など、その街のどこにもいなかった。
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44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:02:04.45 ID:QWM2W5z2O
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しかし今、ビルの前には人影が三つ。
その六つの目はしかと、そのビルを見つめている。
視界の隅に追いやられたモノ。
人の意識に混入せず、誰からも相手にされなかったそれは。
この瞬間に輝き、最後になるかもしれない光を宿す。
それが自らの身を朽ちさせる行為になってしまうとしても。
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45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:04:03.95 ID:QWM2W5z2O
-
※
( ・∀・)「帰っていいですかね?」
三人は依頼先のビルの目の前に来ていた。
川 ゚ -゚)「最初の一言目がそれか?」
( ・∀・)「そりゃあもう、こちとら身の危険が迫ってますから」
(,,゚Д゚)「まあまあ。これはお前の訓練でもあるんだから」
-
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:06:24.21 ID:QWM2W5z2O
-
( ・∀・)「訓練?」
(,,゚Д゚)「そうだ。お前の危険察知能力のな」
( ・∀・)「つまり……どういう事です?」
(,,゚Д゚)「お前のそれは、何らかの事柄が発生する少し前に発動する」
川 ゚ -゚)「要するに受身の能力という訳だな」
(,,゚Д゚)「YES。で、だ。それを訓練次第で能動的に、
自分から危険を探すように出来るはずなんだ」
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47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:08:54.34 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「へえ〜。でも訓練って具体的に何をすればいいんですか?」
(,,゚Д゚)「まあ、取りあえずは今のその能力の精度を上げることだな」
( ・∀・)「ふむふむ」
川 ゚ -゚)「という事は自ら危険なとこにバンバン出向けばいい訳だ」
( ・∀・)「なるほど……………………ってあれ?」
(,,゚Д゚)「BINGO! さあ、じゃ早速行こうか!」
(;・∀・)「ま、待って! まだ心の準備が……っ!」
川 ゚ -゚)「ガンガンいこうぜ」
(;・∀・)「ああっ、引きずらないで!!」
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48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:11:04.14 ID:QWM2W5z2O
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ギコ達は正面入口に向かったが、シャッターが閉まっていたので裏口にまわる事にした。
ぐるりとビルを半周する。
( ・∀・)「結構大きいですね、このビル」
モララーの言うとおり、一介のビルとしてはなかなかの広さを持っていた。
裏庭なんてものもある。
( ・∀・)「なんでこんな立派なビルが潰れたんですかね?」
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49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:14:03.61 ID:QWM2W5z2O
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(,,゚Д゚)「さぁな。不祥事でもやらかしたんじゃね? この会社、何てところ?」
クーが辺りを見回してみると、それらしき社名が書かれているのを発見した。
川 ゚ -゚)「『シベリア運輸株式会社』、と書いてあるな」
(,,゚Д゚)「シベリアねぇ……。そんなのニュースでやってたっけなあ……?」
( ・∀・)「覚えが無いですね」
川 ゚ -゚)「ふむ。私はどこかで聞いた事があるような……。はっきりとは思い出せないが」
(,,゚Д゚)「いいよいいよ。そんなん思い出さないで。さっさと中行こうぜ」
どこか引っかかるような顔をしたクーにひらひらと手を振って、
ギコは裏口の非常扉の前に行った。
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50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:16:07.55 ID:QWM2W5z2O
-
(,,゚Д゚)「さて……」
ギコは扉を開けようと手をかけたが。
(,,゚Д゚)「あれ? 開かねえ」
川 ゚ -゚)「まあ普通、鍵は掛かっているだろう」
(,,゚Д゚)「全く……。依頼すんなら鍵も渡しとけってんだ」
ギコは愚痴りながら扉に背を向け、二歩前に出て―――
(,,゚Д゚)「ッシャアア!!!」
扉に右の回し蹴りを打ち込んだ。
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51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:18:04.18 ID:QWM2W5z2O
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大きな音を立てて扉が倒れた。
( ・∀・)「いいんですか? 派手に壊して」
(,,゚Д゚)「廃ビルだろ? 構いやしねえよ」
川 ゚ -゚)「では、入るとしよう」
(,,゚Д゚)「モララー、頼んだぜ」
(;・∀・)「うう……。嫌だなあ」
三人が扉の前に立つ。
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52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/07/27(日) 23:20:16.78 ID:QWM2W5z2O
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( ・∀・)「……あれ? 行かないんですか?」
モララーはギコとクーのの後ろで隠れるようにして扉の奥、ビルの内部を覗いていた。
だが二人は一向に歩を進めない。
そんなモララーの問いに、ギコは呆れ顔で返す。
(,,゚Д゚)「何言ってんだ。お前が先頭だよ」
( ・∀・)「え」
(;・∀・)「ええっ!?」
第三話-a おわり
→第三話-bに続く?
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