('A`)が武器で、もとい('A`)と武器で戦うようです
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:12:44.49 ID:qcqaSQXRO
- 長いあらすじ
最終決戦に臨むドクオ勢
幹部三人の内二人を撃破し、残るは横堀とモララー
横堀と現在交戦中。その戦いの最中で兄者は、横堀の腹にヒビを入れて、死亡
つーは横堀の守る柱を一人壊しにいっている
一方モララーには、(,,゚Д゚)('A`)( ^ω^)の三人が向かう
ダイオード『衝撃を与えないことに出来るトライデント』(地面に武器を着くことで解除)
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3579350.jpg
トソン『放射した火炎を固定することが出来る火炎放射器』
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3579353.jpg
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 20:16:36.86 ID:qcqaSQXRO
- (;'A`)「痛っ!」
ドクオはしりもちをついた。
高性能ロボットに崖から落とされたが
木の枝がクッションになったおかげで、なんとか着地出来た。
(;'A`)「あぁもう……情けない声出しちゃった」
どれだけ落ちたのかドクオが見上げると
枝葉が生い茂っていて、まるで何も見えなかった。
先の崖の上へ舞い戻るのは、困難に思われた。
('A`)「さっきのロボットがいないとも限らないし……」
ノパ听)「危ないよ」
('A`)「ああ、危ないよな……」
ノパ听)「私がモララーのとこまで案内してあげよっか?
」
('A`)「お、マジで? じゃあお願いして……」
ノパ听)「……」
気がつくと、少女が、こちらを見上げていた。
ドクオはたまらず飛び退いた。
Σ('A`;)「ぬほぉ!?」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:20:07.66 ID:qcqaSQXRO
- ノパ听)「どうしたの?」
ドクオは大剣を構えた。
しかし、殺気を微塵も感じさせない少女を見て
刃先をわずかに地面へ向けた。
('A`)「君は……」
話しかけたところで、少女はきびすを返して、森の中へ入っていった。
ドクオは制止の声をかけながら、慌ててあとを追った。
・
・
・
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:23:26.23 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
呆然と立ち尽くしていたダイオードは
腹の底から雄叫びを上げて、横堀に襲いかかった
/ ゚、。#/「このッ!」
横堀の胸を切り上げ、連携させてあごに蹴りを入れた。
じりりと後ずさっただけで、横堀に変化見られない。
それでも、ダイオードは攻撃の手を緩めなかった。
(/‰ ゚)「……単調ダ」
/ ゚、。#/「!」
決めようとした二撃目。
しかし、軽く振るわれた拳で、ダイオードは吹き飛んでしまった。
倉庫の壁にめり込み、頭から血を流す。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:25:42.56 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。;/「はっ……クソ……」
(゚、゚トソン 「どうしたのでございますか、ダイオード様らしくない」
ダイオードは頭に手を当てて、ふるふると首を振った。
/ ゚、。 /「我にも分からんのだ……なんなのだこの気持ちは
特に兄者と過ごした時間も長くない
なのに、なのに……!」
目を見開いて言う。
/ ;、. /「どうしてこんなにも心が痛いのだ!」
’
ダイオードはぐちゃぐちゃに顔を歪ませて、涙を流した。
トソンは表情を変えずに、ダイオードの体を抱き起こした。
(゚、゚トソン 「兄者様の思いに報いるためにも、今泣いている暇はありませんよ」
/ ;、. /「ぐっ……うう……」
’
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:30:35.44 ID:qcqaSQXRO
- その二人へと、横堀はゆっくりと近づいていく。
自身の胸についた浅い傷。
それを見て、ふんと鼻を鳴らした。
(/‰ ゚)「久々に腕が鳴ル」
あのダイオードも相当の使い手だ。
何気なかったが、攻撃は素早く的確で
防御は衝撃の大半を受け流していた。
ギコとも負けず劣らずの強さ。
(/‰ ゚)「……」
オオカミでモララーに殺され
サイボーグとして蘇り
今まで良いように使われてきたが
久々に戦士として戦える。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:36:33.70 ID:qcqaSQXRO
- (゚、゚トソン 「さぁ、来ましたよダイオード様」
/ ゚、。 /「うぐぐ……」
ダイオードは立ち上がりながら
今再び、横堀の姿を捉えた
三メートルを越える巨体。
丸太のような腕。
全てを貫く赤い眼光。
自然と武器を握る手に力が入る。
/ ゚、。 /「そうか……」
泣いていて殺されては
兄者の思いも報われない
この強大な敵を倒すためには、全身をたぎらせて、万全の策で臨む必要がある。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:40:27.12 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。#/「おぼえてろ、我の全力で迎え撃つ」
ダイオードは立ち上がるなり
トソンの手を引いて逃げ出した。
(゚、゚トソン 「ダイオード様?」
/ ゚、。 /「良いから来るのである! 考えがあるのだ!」
(/‰ ゚)「……まったく」
横堀はやれやれと息を吐き
まだ形の残る、兄者の大槌を踏みつぶしてから
二人の後を追った
(/‰ ゚)「楽しませてクれよ……」
一瞬胸の傷が痛んだが、すぐに収まった
気のせいだろう。
横堀は気を取り直して、倉庫群の中を走っていった。
・
・
・
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:46:20.67 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
・
そこは港町で、何年かに一度神に女性を捧げるという、生け贄の儀式があるそうだ。
僕が通りかかったのはちょうどその儀式の最中で、砂浜に少女が縛られて横たわっていた。
ノハ;凵G)
僕はその少女以外の人間を全て殺した。
なんて酷い儀式だろう
何百人も殺してきた僕はそう思った。
少女はヒートという名前だった。
殺人の最中に気絶したヒートは、しばらくして目を覚まし
何も覚えていないようだったので、事情を説明するとはっとするような笑顔で言った。
ノパ听)「ありがとう!」
当時十歳だった僕は
一切の心を彼女に奪われてしまった
その町に留まることを決めたのも、そのためだった。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:49:01.57 ID:qcqaSQXRO
- しかし、『僕がヒートを殺した』のは、それから一週間と立っていない頃だった。
呻き声をあげて、僕の名前を呼ぶ彼女が、脳裏に焼きついている。
指先の神経が燃えてなくなりそうだった。
僕は彼女の背中に触れただけのつもりが、彼女を橋から突き落としてしまったのだ。
がしゃり。とまるで金くずを落とした音が響いた。
河原に突っ伏したヒートは、石で潰れた顔を僕に向けた。
どうやら言葉を発しているようだった。
ノハ::゚:;・/「モ……モラ、ラ?」
原因も何もない、ただ『力加減が出来なかっただけ』。
自分は悪魔ではないという、愚かな夢から覚めて
僕は、様々な感情に押しつぶされた。
気がついたときには、ν速国を目の前にして、こう呟いていた。
(::・∀・)「この国の統治が……ヒートを殺したんだ」
・
・
・
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:51:40.96 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
・
('A`)「おい、お嬢ちゃん」
ノパ听)「なあに」
('A`)「お嬢ちゃんはどうしてこんなところにいるんだ?」
ノパ听)「んー、進化論と創造論があるんだけどー……」
('A`)「えっ」
ノパ听)+「高い場所にあるエサを食べられるようにキリンが――」
(;'A`)「そういうレベルの話じゃなくて!」
クスリと笑って、答える。
ノパ听)「ヒートはね、モララーのお友達だからだよ」
('A`)「……はあ」
笹薮の中を進む。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:53:47.35 ID:qcqaSQXRO
- ('A`)(今、ヒートって言ったよな)
モララーは「ヒートという少女のために、このゲームを開いた」と、ギコが話していた。
たしか、そう言っていた。
('A`)「……」
ノパ听)「ヒートは、モララーから作られたの」
('A`)「作られた?」
ヒートはおもむろに話し出した。
ドクオはそれに耳を傾ける。
ノパ听)「ヒートはぁ、モララーに1回殺されて魔石になったの」
('A`)「……」
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 20:56:08.20 ID:qcqaSQXRO
- 一言目から、理解の範疇を越えていた。
だが、ドクオは黙ってそれを聞いていた。
魔界に住む魔人の死体は石になる、というのはハインから聞いたとおりだった。
ノパ听)「モララーはその魔石で、ヒートを作ったの」
('A`)「作った……か」
ドクオは考えを巡らせた。
ハイン从 ゚∀从、渡辺从'ー'从、横堀(/‰ ゚)は
彼らが、瀕死状態だったところを魔石で回復させた、サイボーグだ。
それと比較して考えてみると、このヒートという少女は
どうやら、魔石単体から作り出した、オリジナルの存在と考えられた。
おそらくモララーの有する最先端技術に違いないだろう。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:01:59.32 ID:qcqaSQXRO
- ('A`)「……」
モララーが、ヒートに執着する真意はドクオに分からなかったが
ぼんやりと、その目的は形になって見えた。
ヒートはそれきり口をつぐんだ。
彼女の考えていることが、ドクオには分からなかった。
空気が震えたのは、そう考えた直後だった。
・
・
・
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:02:42.97 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
・
/ ゚、。;/「……」
(゚、゚トソン 「まだ、追ってきていますダイオード様」
/ ゚、。 /「分かっておる」
(゚、゚トソン「私は後ろをちらちら見ながら偵察しています」
/ ゚、。 /「分かっておる」
(゚、゚トソン「前方50m、少しくぼんでいますのでご注意を」
(゚、゚;トソン「あぁっ、風で砂ぼこりが! 目に入ります!すぐ目を閉じて」
/ ゚、。;/「うるさいのだー!」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:08:53.06 ID:qcqaSQXRO
- トソンとダイオードは倉庫郡を駆けていた。
熱源感知の出来る横堀に、果たしてどこまで通用するのか
トソンはしきりに周囲を警戒していた。
/ ゚、。 /「落ち着くのだトソン。奴のサーマルはもう使えない」
(゚、゚トソン 「使えない?」
トソンは、珍しく汗をかいているダイオードと目を合わせた。
/ ゚、。 /「あれほどの火炎で攻撃を加えたのだから
奴の体はジュージューの焼け石状態。
自分から発している熱のせいで、周囲の熱源など感知できないはずなのだ」
(゚、゚トソン 「なるほど……冷静に考えればそうでございますね」
/ ゚、。 /「兄者の映像が色濃いが……
今は戦いに集中するしかないぞ」
(゚、゚トソン 「了解でございます」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:11:49.28 ID:qcqaSQXRO
- 「とはいえ」と、ダイオードは、背後の倉庫にもたれかかった。
/ ゚、。 /「奴と我らの力の差は圧倒的。こちらはダメージもある。
いくら頑張ろうと、地力の差で必ず負けるのだ」
(゚、゚トソン 「そうなると……、正攻法では勝てないということですね」
/ ゚、。 /「なのだ」
ダイオードは倉庫の正面に回って、シャッターを開けた。
積み上げられた『魔力の粉』が入った袋。
魔力の粉は、この世界の万能燃料となっていた。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:15:52.76 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。 /「だからここ一帯のものをフルに使うぞ」
倉庫の燃料のほかに、積み上げられた土砂
ダンプやショベルなどの重機も、先からちらほらと見える。
探せばハンマー等の工具もありそうだ。
(゚、゚トソン「やはりこの付近は、工業地帯なのですね」
/ ゚、。 /「境界は現界の影響も受けているからな
ここのロボット共が使っていたというよりは、そっくりそのままコピーされたって感じであるな」
(゚、゚トソン「このショベルも……キーがつけっぱなしですね」
/ ゚、。 /「ふうむ、ということは、バッテリーや軽油なんかもあるのか?」
(゚、゚トソン「おそらく」
ダイオードはあごに手を当てて
トソンの目をじっと見た。
/ ゚、。 /「……策を思いついた」
(゚、゚トソン「さすがダイオード様、お聞かせください」
しかし、聞いてトソンは驚愕した。
「何を言っているのですか」と、珍しく狼狽して答えた。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 21:20:17.48 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。 /「もう、これしか方法はないのだ」
(゚、゚;トソン「しかし! もし失敗したならば……」
/ ゚、。 /「成功する、だから頼むのだ。必ず、成功する」
それでもトソンは納得しなかったが
最後は目を伏せたまま了承した。
(゚、゚;トソン「……分かりました」
・
・
・
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:23:15.73 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
・
(/‰ ゚)「……」
サーマルは壊れていた。
ダイオードとトソンがどこにいるか見当もつかない。
しかし、横堀は迷うことなく、ある倉庫へ向かって歩いていた。
シャッターが開け放たれた、一際大きな倉庫だ。
(/‰ ゚)「気配がスルな」
シャッターをくぐると、白い袋がところせましと積まれているばかりで人影はない。
横堀は、ゆっくりと歩を進めた。
/ ゚、。 /「えらく無警戒であるな」
横堀が倉庫の真ん中に来たところで
ダイオードはシャッターを閉めた。
ようやく現れたダイオードを、横堀は振り返って、センサーにとらえた。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:29:23.13 ID:qcqaSQXRO
- (/‰ ゚)「……もうヒトリノ姿が見えないが」
/ ゚、。 /「トソンではお前に太刀打ちできないのでな
我の全力をもって相手してやる」
(/‰ ゚)「……」
横堀は答えないまま、ダイオードに正対した。
/ ゚、。 /「ノコノコとここに入ってきたことを後悔するぞ」
(/‰ ゚)「……何か作戦がアるようだな」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:31:42.62 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。 /「!?」
横堀の体の各部が、展開。
まもなく展開した部分から、弾薬が落下する。
弾数にして、100発ほど。全てライフル弾だった。
(/‰ ゚)「無駄な弾薬で、動きを鈍くする必要はない」
ダイオードは驚いた。
このときの横堀の言葉に、機械的な音声が含まれていなかったからだ。
横堀は続ける。
(/‰ ゚)「無警戒と言ったか」
3mの巨体が姿勢を低くした。
(/‰ ゚)「節穴だな」
威圧感にダイオードの喉が「ひゅ」と鳴る。
(/‰ ゚)「狭い場所は、俺にとってはホームグラウンドだぞ」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:35:36.99 ID:qcqaSQXRO
/ ゚、。;/「ぐっ――――!」
(/‰ ゚)「いざ尋常に……」
「勝負」という声が倉庫内に響いた。
しかし瞬間、重なり合う何かの音と同時に、横堀の視界センサーに多量の異物が検出された。
横堀はたまらず動きを止める。
(/‰ ゚)「むう……っ! これは」
倉庫内の魔力粉が、一斉に袋から吹き出したのだった。
横堀は『衝撃を与えないことに出来るトライデント』の存在を思い出した。
ダイオードはあらかじめ袋に攻撃を加えていたのか。
/ /「アウェーグラウンドに様変わりなのだ」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:36:35.18 ID:qcqaSQXRO
- 次の瞬間には、ダイオードの影さえ見失っていた。
魔力粉はみるみるうちに倉庫内を覆った。
煙幕の役割が果たされ、横堀はその場に立ち止まることを余儀なくされる。
(/‰ ゚)「小賢しいが……予想の範疇だ」
横堀は聴覚センサーに意識を集中させた。
(/‰ ゚)「騙すようで悪いな」
ゆるりと後方に右手の親指を向けると
響いたのは、銃声。
/ ゚、 ;/「!?」
頬をかすめる弾丸。
ダイオードがわずかに声を漏らした。
(/‰ ゚)「装填した弾まで取り出すのは、面倒だからな」
「そして」と
横堀は大きく跳躍した。
(/‰ ゚)「動揺が音に表れたぞ」
自分を覆った大きな影。
ダイオードはその正体を確認した。
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:39:20.96 ID:qcqaSQXRO
- / ゚、。;/「くうっ!」
真上から、丸太のような一撃。
避けられない。
しかし、すんでのところで、トライデントが地面に着く。
直後、ダイオードの体は空中で跳ね、横堀の攻撃は空を切った。
ダイオードは、自身の胸に加えた衝撃で、移動したのだった。
(/‰ ゚)「むうっ!」
苛立ちの感情を露わにした横堀を見て
ダイオードは呟いた。
/ ゚、。 /「決してペースは取らせないのだ」
跳ねた先の壁で反転し
ダイオードはいっぱいに折り込んだ膝を伸ばしきって
横堀の懐へ、一瞬で潜り込んだ。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:41:58.13 ID:qcqaSQXRO
- 目にもとまらぬ連撃が飛び出したのは、まさに刹那。
横堀の目の前で、まるで花が咲いたような、武器の残像が見えた。
/ ゚、。 /「らァア!!」
(/‰ ゚)「……ッ! ぐう!!」
横堀は『衝撃のない攻撃』を加えられてしまった。
慌てて、太い腕を横薙ぎに払ったが、ダイオードはひょいとかわすと
再び煙幕へ姿をくらました。
(/‰ ゚)「速い……ッ」
視界に一瞬映った影が、またもや横堀に攻撃を加えた。
衝撃はない。すぐさま影を追ったが、その姿は捉えられない。
周囲は煙幕だけだ。
まるっきり、ダイオードの姿は見えなくなっていた。
横堀の体が震えた。
それは武者震いだった。
いつ以来だろうかと、横堀は高揚した。
「全て、覚悟を決めた」
姿の見えないダイオードの声だ。
横堀の血が、どくりと強く脈打つ。
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:45:23.46 ID:qcqaSQXRO
- (/‰ ゚)「決めた……だと?」
「死ぬ覚悟が出来た。我は、この勝負に人生を賭す」
直後に視覚センサーが、動く影を感知したが
それとは逆方向から、トライデントの一線が首元を走った。
あまりにも速い。
(/‰ ゚)「死に際とは思えんな……」
と、その間にも横堀は切りつけられる。
衝撃は当然なかった。
/ ゚、。 /「なにをぼやっとしているのだ?」
ダイオードの抑えた笑い声が響いた。
/ ゚、。 /「この状況下で」
(/‰ ゚)「……!」
ダイオードの攻撃が加速する。
視界の悪い環境で、小柄なダイオードの攻撃を
3メートルの巨体が捌くには、もともとアドバンテージがあった。
横堀は、ダイオードの動きを必死に目で追おうとする。
しかし、ピンボールの球を追うようで
ダイオードの姿は視界に入っては、すぐさま出て行ってしまい
とても実体があるものとして、認識できなかった。
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:48:34.30 ID:qcqaSQXRO
- (/‰ ゚)「ネズミが……!!」
そうして迷いが生じている間にも、頑強な装甲には
トライデントの攻撃が重ねられていく。
ダイオードは更なる加速を目指し、全身を湧かせる。
/ ゚、。 /「57、58………59、60、61……」
ダイオードはごくりと唾を飲み込んだ。
じっと立ったままの、横堀がどう考えているかは分からなかったが
このスピードは決して、覚醒だとかゾーンだとか、そういった類の物ではない。
と、痺れる足を踏みならして思った。
これは、ただただ、敵に触れることを重視した、速度特化の攻撃だった。
一発一発の威力は、自分のビンタと良い勝負だろうが
だが、それを重ねて、ダメージを与えるほかには、太刀打ち出来る術がなかったのだ。
ぐん、と体を沈み込ませる。
/ ゚、。 /「――ッ!」
口を一文字に結んで、62発目の突きを、首の後ろまで引いた武器から繰り出す。
一閃は、何の問題もなく、横堀の腹部に直撃した。
今までで最速の突きだった。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:50:19.94 ID:qcqaSQXRO
- しかし
(/‰ ゚)「気付くのに時間がかかりすぎた」
引き戻そうとした武器が、『引けない』
見れば、凶悪な手のひらによって掴まれていた。
/ ゚、。;/「なあっ!?」
(/‰ ゚)「攻撃を重ねるには、同じ場所を攻撃する必要がある」
横堀は、兄者によって亀裂の入った、腹部に、ちらと目をやった。
(/‰ ゚)「お前が狙うのはココだろう?」
/ ゚、。;/「くっ」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:52:43.83 ID:qcqaSQXRO
- 体勢が崩れたダイオードを、横堀は蹴り飛ばした。
骨のひしゃげる音が倉庫中に響き渡り
ダイオードの体は壁まで吹き飛んで、うなだれた。
(/‰ ゚)「この武器も」
立て続けに横堀は、奪った武器を両手で握りしめた。
それから、ゆっくりとねじ切るようにして、それを分断させる。
(/‰ ゚)「攻撃手段は0だ」
味気ない音と共に、真っ二つにされたトライデントが地面に放り出された。
しかし、その様子もダイオード見ることが出来なかった。
潰れてしまった肺の痛みは、心臓の鼓動を強調させる代わりに、あらゆる情報を遮った。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:54:50.46 ID:qcqaSQXRO
- / 、 ;/「かふっ……はっ」
立てない。
下半身がまとめて壊れているのだ。
圧倒的な強さ。
勝負は一瞬で決まるというが
これはあまりにも。
(/‰ ゚)「……」
横堀はダイオードとの距離を一挙に縮めた。
(/‰ ゚)「目に光が灯ってないぞ」
手刀をダイオードの胸に当てると
ゆっくりと確実に、それを深く刺し込んだ。
赤い血がどっと流れ出す。
(/‰ ゚)「無駄な猶予はいらない」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 21:57:38.06 ID:qcqaSQXRO
- / 、 /「あ……」
あっけなさすぎる。ダイオードは残った生命力を全て意識に回し、思った。
こいつの腕を払いのけてやりたいのに、身体が何も動かなくなった。
痛みも消えた。
他の仲間達に申し訳なくなってきた
ギ と並ぶ最強は、誰よりも最低 死に方をしそうだ。
どうせな 盛大 死にたかっ 。
ンと、もっと話し けば良 った。
だが、 戦は した。 りだ
りだ
は 功した。
作
/ 、 /「さくせ……は」
(/‰ ゚)「!?」
/ 、。*/「せ、こ……した」
ダイオードはもたれかかっている壁を、片手で乱暴にたたき壊した。
首だけを回し、崩れた壁から、倉庫の外へ向けてぎこちない笑顔を覗かせ、自分の額の上でピースを作った。
それが合図だった。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:01:08.57 ID:qcqaSQXRO
- ( 、 トソン「ダイオード様……!」
握りすぎて青くなった手を、更に握り込んだ。
火炎放射器の火炎を球型に固定し、それを更に火炎で放出する。
『火炎弾』が、倉庫へ一直線に撃ち出された。
(/‰ ゚;)「まさか……!」
横堀が倉庫から逃げだそうとしたが、もう間に合わなかった。
粉塵の舞う倉庫内に、十分すぎる火炎が紛れ込めば当然
( 、;トソン 「さようなら」
/ 、 /
閃光、鼓膜を裂くような、轟音。
続いて肌が焼けるような熱風が吹いた。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:02:40.70 ID:qcqaSQXRO
- トソンは目を閉じて、あふれ出そうになる涙を精一杯押し込めた
それでもこぼれだした滴が、頬を伝った。
(;、;トソン 「ぐっ、ううっ」
トソンは目を覆って、うつむいた。
ダイオード様はその身を挺して囮となって
横堀を爆発に巻き込んだ
広かった倉庫は、もはや廃墟だ。
いくら横堀といえども、あの爆発の直撃を受ければ、ひとたまりもない。
トソンはせめて、ダイオードの亡骸を探そうと
涙を拭って、赤い目で立ち上る火炎を見据えた。
そして、言葉を失った。
(゚、゚;トソン「……」
ダイオードの死の悲しみで、麻痺していったすべての感覚が
大急ぎで体に熱を伝えていく。
どくりと、心臓の鼓動音。
(/‰ ゚)
3mの巨体は悠然とその場に立っていた。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:04:12.84 ID:qcqaSQXRO
- 一歩、また一歩と距離を詰めていく横堀。
環境が、状況が、わざとらしいほどに『粉塵爆発』を示していた。
陳腐すぎて、ほかにも何かあるのではないかと思ったほどだ。
だが、ダイオードは死んだ。何もせずに死んだ。
このことこそが、奴らの策の底を―――
(゚、゚トソン 「―――示している」
(/‰ ゚)「!」
横堀は足を止めた。
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:07:20.05 ID:qcqaSQXRO
- (゚、゚トソン 「密閉された空間、粒子の細かい可燃性の物質
確実に着火出来る能力を持った人間。
あなたほどの頭脳をお持ちならば、すぐさま『粉塵爆発』までたどり着けるであろうと推察致します」
(/‰ ゚)「……」
(゚、゚トソン 「この規模の粉塵爆発ならば、装甲が壊れることはない。
ここは様子を見ながら、ダイオードを殺すことだけを考えよう。
結果、あなたの目論見通り、ダイオード様は死亡し、貴方様はそれだけのダメージで済んでおられる」
(/‰ ゚)「……貴様」
横堀の人工的な目には、焦りの色が感じられなかった。
しかし、トソンには横堀の感情が手に取るようにして分かった。
だめ押しの一言を告げて、トソンは火炎放射器を横堀に向けた。
(゚、゚トソン 「間違いはございませんか?」
言い終わるや否や、武器が火を吹いた。
瞬間に、横堀の周囲一帯が火炎に包まれた。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:09:40.57 ID:qcqaSQXRO
(/‰ ゚)「ッ!?」
(゚、゚トソン 「倉庫内の酸素で、あれほどの粉末が全てが燃え切るなど万に一にもあり得ません
となれば残った可燃性の粉末は周囲に爆散。
貴方は燃料のプールにいるようなものでございます」
(/‰ ゚)「……今、泣いていたのは、演技か」
トソンの頬には涙の跡が残っていた
だが、かえって眼光は鋭く、憎しみの炎に燃えていた。
(゚、゚トソン 「お言葉ですが、その直列回路の脳みそで、私を推察するのはおやめください。
貴方様が思っている以上に、不愉快でございます」
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:11:26.90 ID:qcqaSQXRO
- 横堀は火の海の中で、失望露わに声を上げた。
(/‰ ゚)「調子に乗るなよ、俺を火炎に沈めるのが作戦の肝か?
だとすれば、見くびられたものだな」
火をかき分け、横堀は進む。
しかし、ようやく開けた視界にトソンの姿は見あたらなかった。
(/‰ ゚)「……」
サーマルは起動さえしなかった。
全身に熱をもっているのが、分かった。
地に着けた足で、土がじゅうと音を立てる。
聴覚センサーも、先の爆発でイカれ気味だ
索敵に役立つ機能が、ことごとく潰されている。
地道に探すしかないなと
横堀が今日何度目かの鬼ごっこに取りかかろうとした瞬間
かすかに人影が視界の隅に入った。
(/‰ ゚)「……!」
横堀は、巨体を揺らして、間髪入れずその場所へと向かった。
(/‰ ゚)「……逃がさん」
碁盤目状に張り巡らされた、倉庫と倉庫の間を通って
横堀は執拗な追跡を再開した。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:12:37.90 ID:qcqaSQXRO
- しかし、追跡は終了する。
横堀を挟む左右の倉庫が、突如爆発したのだ。
3mの巨体が回転を加えて吹き飛んだ。
(/‰ ゚)「うぐぉ!」
壁の崩れた倉庫には、白い魔石の粉末が散らかっていた。
身体にのしかかった瓦礫を押しのけ、横堀は息を漏らした。
(/‰ ゚)「『粉塵爆発』……!」
トソンは、3ブロックは離れた倉庫の一つの影に隠れ、
火炎弾を発射した武器の銃口を下に向けた。
(゚、゚トソン 「粉塵の舞う倉庫はそこだけではございませぬ」
ダイオードは複数の倉庫で、粉塵が舞うような細工をしていたのだった。
考えてみれば、たった一つの倉庫だけで細工をするはずもない。
その場所が建物ごと壊されでもすれば、作戦は失敗する。
倉庫群は、いまや『爆発群』に姿を変えていた。
(/‰ ゚)「……」
横堀は起死回生を計った。
魔石の粉末は、全ての倉庫に格納されているわけではなかった。
全ての倉庫が爆発するというわけではない。
と、攻撃の条件を限定していった。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:15:20.90 ID:qcqaSQXRO
- (/‰ ゚)「……」
さらに、粉塵爆発は、トソンによる着火が必要である。
となれば、トソンの位置も、着火出来ない安全な倉庫も
割り出すことは可能だ。
と
(゚、゚トソン 「当然、そう考えて来るでございましょう」
しかし、とトソンは、大きな倉庫のあった場所に戻って
いまだ燃えさかる火炎を見た。
(゚、゚トソン「兄者様、ダイオード様、見ていてください」
トソンはねじきれたダイオードのトライデントを拾い上げた。
決戦だ。
(゚、゚トソン「射出した火炎を固定することができる火炎放射器……参ります」
・
・
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- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 22:19:01.24 ID:qcqaSQXRO
- ・
・
・
(*゚∀゚)「んもー邪魔だなー!」
巨大化した包丁で、ロボットの軍勢を薙ぎ払った。
全方向から襲ってくる敵に対して、振り向き、なぎ倒しを繰り返す。
少しは数は減ったようだ、つーはさらに握力を込めた。
目指すは、正面の柱だ、迷わず突き進んだ。
後方ではダイオードとトソンが、横堀を食い止めている
早く加勢のため駆けつけなければ。
(*゚∀゚)「ちょっとリスク、負っちゃおうかな!」
つーは全身、つむじからつま先まで、神経を研ぎ澄ませた。
『大きさを変えることが出来る包丁』
武器化の最終形態は、イメージがついていた、だが不安で実行できていなかった。
目を瞑って、イメージした。
これは練習通りだった、良いぞ、いけるぞ。
つーは自分に言い聞かせた。
武器化する、武器化する。
その時、流れる血液が熱をもった。
筋肉が波を打ち、骨は軋んで、嫌な音を立てた。
つーは叫んだ、呼応して、身体の変化も加速する。
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:20:49.78 ID:qcqaSQXRO
- 手が、足が、頭が、巨大化していく
つーの視界は真っ暗になった、まぶたが重くて開かないのだ
身体の不具合に声を上げる、うう、うう、と呻く中で、つーは成功を実感した。
やがて、つーは、目を開ける。想像以上の景色が飛び込んだ。
(*゚∀゚)「わーお」
目の前に空。
ロボットの軍勢はアリの群れにしか見えない。
『大きさを変えることの出来るつー』の誕生だ。
全長20mという具合、つーは歓喜した。
(*☆∀☆)「ウッキャー! アヒャヒャヒャヒャ!! 素敵! 素敵すぎるーッ!」
地団駄を踏んで、喜ぶ、もとい攻撃する。
頑強なロボットが次々と崩れていく。
(*゚∀゚)「ここまできたら、もう包丁いらないね! まるでオレが武器みたいさ!」
つーは、ここぞとばかりに、敵を圧倒撃滅させる。
敵のレーザーを、銃弾を受けながらも、踏みつぶし続けた。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:21:35.66 ID:qcqaSQXRO
- (*゚∀゚)「はは、ははは! アヒャヒャヒャヒャ!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャハハハハ、アヒャヒャ!アヒャヒャヒャヒャ!!!」
(*゚∀゚)「アヒャーー?」
敵があらかたいなくなったところで、つーは突如、頭痛に襲われた。
ぐらりとバランスを崩して、地面に倒れた。
包丁を置いて、頭を抱えた。
気がつくと体は、もとの大きさだった。
意識がとぎれたのか、頭の中で繋がらない
つーはロボットの軍勢に埋もれていた。
(*゚∀゚)「……あれ?」
記憶がない、ぼんやりして、頭が痛い。
今何が起こったのか、理解できていなかった。
まるで何かにとりつかれたようで、急に不安になった。
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 22:23:14.02 ID:qcqaSQXRO
- (;*゚∀゚)「はぁ……はぁ……」
つーは足元を見た、動かなくなったロボット達だ。
悲惨なまでに粉々だ、つーはふらつく足で、柱へと向かった。
柱を壊さなければならない、そしてダイオードちゃん達の加勢に行かなくては
この得体の知れない何かに、意識を奪われる前に。
(゚卍゚゚}「――ザ……ザザ――アク」
(;*゚∀-)「んん?」
奇妙な音を発しているロボットがいる。
半身は砕け、目の光り方も不規則だった、つーは構えた包丁を肩に担いだ。
(゚卍゚゚}「ア――悪魔が――悪魔の子が――」
(*゚∀゚)「こいつ……しゃべってる?」
(゚卍゚゚}「親を――イ―妹を――殺して――」
(゚卍゚゚}「肉を――食べ――テ―皆――死んで」
(;卍;゚}「奴は――能力を吸収する――みんな―死死」
(*゚∀゚)「……?」
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:24:59.77 ID:qcqaSQXRO
- 伝わってくる憎悪と苦しみ、聞いている方も胸が痛くなる。
ロボットは死体から作られているはずだ、これはダイイングメッセージということか
つーは、屈んでその言葉に耳を傾けた。
(;卍;゚}「奴の――な――マエは――」
(*゚∀゚)「……」
(゚卍゚゚}「――――ヒ――――………」
(゚卍゚゚}
(*゚∀゚)「……」
つーは立ち上がって、柱に向かう。
そしてロボットの言葉の意味を考えた。
(*゚∀゚)「魔界はモララーの手によって、ほとんど滅んだって聞いたけど
悪魔の子……? モララーがそうだってことかな」
(;*-∀゚)「っつ!」
また頭が痛み始めた。
つーは一旦思考を切り離し、もう目と鼻の先の柱に向かった。
・
・
・
- 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/11/02(金) 22:28:25.84 ID:qcqaSQXRO
- ・
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・
ノパ听)「ここだよ」
藪道が開けて、荒野が広がった。
そこには
(,,゚Д゚)
(::・∀・)
二人の姿がたしかにあった。
両者とも、血塗れで、今すぐにでも加勢をする必要があった。
('A`)「ギコ!」
ドクオは大剣に力を込めて駆けた。
触手が身体にまとわりつけて、より正確に剣を振れるようになる。
('A`)(それにしても……)
ドクオは一度だけ振り返った。
あのヒートという少女が、一体何者なのか
頭で理解はできても、納得できていなかった。
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/11/02(金) 22:32:06.47 ID:qcqaSQXRO
ノハ )「……頑張ってね」
(;'A`)「!」
ヒートはうつむいて笑っていた。
あまりの不敵な笑みに、背筋が固まってしまう。
一体、彼女は
ノパ听)
ドクオは謎を抱えたまま、最終決戦へと向かった。
('A`)が武器で、もとい('A`)と武器で戦うようです
第53話「死ぬまで戦うために」 終
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