ノパ听)Ammo→Re!!のようです
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:02:14.95 ID:PVs41mT90
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
               {三三三三三三三カ
           Y⌒,ー=======孑ヘ、
          八_/          _j_}
          /¨/三三三三三三三爿
            / ,仁三三三三三三三カ
.           / /|三三三三三三三三{|
                ‥…━━ August 5th PM22:15 ━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

乗り合わせた海兵たちの会話から有益な情報は何一つ、手に入らなかった。
少しは話すのかと思えば、会話一つない有様だ。
背中に張り付いた海兵を引き剥がし、トラギコ・マウンテンライトはベッドから出る。
この一時間弱で波に揺られることに体が慣れたおかげで、船酔いにはならなそうだ。

壁に背を付けて、トラギコは魔法瓶の蓋を開けた。
温かい蒸気と共に、味噌のいい香りが立ち上る。
その香りに気付いたのか、隣にいた男が興味深そうに中を覗き込む。

(=゚д゚)「美味そうだろ?」

(::0::0::)「本当に美味しそうな匂いですね。
     これは何の匂いなんですか?」

(=゚д゚)「へっへー、これが味噌って調味料の匂いラギ」

船室で休んでいた男達が、ぞろぞろとトラギコの周りに集まってくる。
皆口々にこの香りを絶賛している。
いい傾向だ。
塩と酢以外の味が世界にあることを教えてやらなければ。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:05:28.39 ID:PVs41mT90
(=゚д゚)「ま、飲んでみろラギ」

この魔法瓶の蓋は、カップにもなる。
そこに揺れで零れ落ちない量を注ぎ、隣の男に手渡した。
男はマスクを鼻までめくり上げ、息で冷ましながら一口飲む。

(::0::0::)「……すずっあぁぁ……ぁふぅっ……」

感想を口にせずとも、何と感じたのかはその声だけで分かった。
二口目を飲み、三口目を飲もうとする男の手から、別の男が奪って飲む。
後ろからのそりと起き上った例の少女も同じようにして味噌汁の列に加わった。
そして次々に味噌汁が飲まれ、トラギコが注いだ分は船室にいた人間だけで無くなった。

操舵室にいるホプキンスともう一人の海兵には後で持っていくだけの余裕がなさそうだったので、トラギコはキッチンの戸棚から紙コップを拝借し、そこに注いだ。
今回の味噌汁はインスタントの味噌汁を使ったため、非常に質素だ。
薄く小さな豆腐が少々と平べったい万能ネギ、それとワカメ。
しかしトラギコの一工夫によって、乾燥ワカメが増量され、厚く切った歯応えのあるネギがたっぷりと入っていた。

数ある味噌汁の具の中で、トラギコはネギが好きだ。
最も簡単で、そして最も歯応えがあって健康にいいからである。
後は油揚げが入っていれば文句はないのだが、生憎、ジュスティアのスーパーマーケットでは品切れだった。
インスタント味噌汁が置いてある店舗は一店だけという恐るべき状況を、トラギコは知っていた。

夜の九時に嵐の中オアシズを追って出発したとして、追いつくにはどれだけ早くとも四時間は必要だ。
そうすると、船内で小腹が空くのは予想できる。
ジュスティア軍人がよもや夜食を用意してくれるなど期待しておらず、トラギコは自主的に用意することにしたのだった。
水筒に袋二つ分のインスタント味噌汁を入れておき、そこに刻んだネギを入れておくだけ完成だ。

(=゚д゚)っ凵「これ、上に持って行ってほしいラギ」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:12:05.44 ID:PVs41mT90
(::0::0::)「了解」

少しだけ乗車賃のつもりで具を多めに注いでやり、それを操舵室に持って行かせた。
トラギコの元に戻ってきた蓋に味噌汁を注ぎ、早速一口飲む。
寝起きの口、喉、胃袋にじわりと広がりながら下って行く熟成された塩味と独特の風味。
舌の上に感じる小さなネギの存在と、鼻から抜けていく汁に染み出た具材と味噌の芳醇な香り。

もう一口啜る。
大きなネギが幾つか口の中に入った。
甘口の味噌がネギによく合う。
シャキシャキとした噛み応えのそれを堪能しながら汁を啜り、汁を吸ったネギの風味と辛みと若干の甘みを楽しむ。

具の袋を豆腐にしたのも正解だった。
小さいがこれも汁をよく吸い込んで良い食感になる。
勿論、増量したワカメも忘れてはならない。
絶妙な塩味を付け加えるだけでなく汁全体に豊かな香りを付け足す存在だ。

一息つき、トラギコは水筒を回した。
水筒の壁面に張り付いていたワカメが剥がれ、具が汁の中心に寄る。
そこをすかさず啜る。
大量の具が一度に口に収まり、贅沢な食べ応えに舌鼓を打つ。

味噌汁のいいところは夏場で失われがちな塩分を取れる点と、疲れた体を癒す点にある。
働く男には何ともありがたい料理なのだ。
残った汁を飲み干そうとした時、物欲しげな目で見る海兵がいた。
先ほどの少女だ。

(::::0::0::)「なぁ」

(=゚д゚)「あん?」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:16:32.42 ID:PVs41mT90
(::::0::0::)「それ、もっとくれないか?
      実は晩飯を食べ損ねてさ」

(=゚д゚)「……海兵なのに、か?」

妙だ。
海兵と云うよりも軍には食堂がある。
オートミールなど食欲を減退させるラインナップで兵士からは不評だが、基地内で訓練後や出動前に食事が出来る場所はそこしかない。
こいつは出動前にもかかわらず、食堂に行かなかったと言っているのだ。

いつまた食べられるか分からない職をしている自覚がないのか。
それを認識させてやるために、トラギコはわざと聞こえるように鼻で笑って味噌汁を飲むことにした。

(=゚д゚)「あああ!! うめぇ」

(::::0::0::)「……くっ」

マスクの下から悔しそうな声が聞こえた。
いい気味だ。
からかい甲斐のある反応だった。

(=゚д゚)「いいか若造、覚えとけ。
    俺らみたいな職業はな、いつ食えなくなるか分からねぇラギ。
    だから、食える時に食わなかった手前がいけねぇラギ」

(::::0::0::)「知ってる」

(=゚д゚)「なら、今がその時だってのも分かるラギか?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:25:57.32 ID:PVs41mT90
(::::0::0::)「分かってる。 分かった上での頼みだ。
      正直言うと、空腹なわけじゃないんだ。
      世辞抜きに、あんたの味噌汁は美味い。
      だからもっと飲みたいんだ」

ジュスティア人にしては珍しく正直だ。
総じて矜持の高い彼らは、自分達の料理以外をあまり受け入れないし認めない。
正直は良いことだ。
裏を読んだりする面倒を省いてくれる。

(=゚д゚)「そらどうも。 だけど俺はシェフじゃないラギ。
    ……次からは手前で作れ。
    そんなに難しい料理じゃねぇラギ」

ずい、と水筒を差し出す。

(=゚д゚)「フォークを使って食うといいラギ。
    そうすりゃ、ネギもワカメも残さないで済む」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       r‐--- ,,__        ,r‐' 〉
       |      `"''ーv-‐''"´  /
       ノ               i
      i                ノ、__
      !              r'´ヽ `':,
      /              l !__i |   ',
     ノ               i   .i, ,  ヽ
    /               ノ   i/    `',
  <,. -─‐-- 、,,   ,. --─- 、,/    !‥…━━ August 6th AM00:37 ━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:31:57.71 ID:PVs41mT90
リッチー・マニーは提出された報告書を見て、サインをするために手にした十五年間使用してきた万年筆を折ってしまった。
愛着ある一本だったが、今はその感傷に浸るどころではない。
新たに若い女性二人が犠牲となった。
それも、毒殺だ。

¥;・∀・¥「どういう事だ、これは?」

声は怒りに震えている。
探偵は、警備員は、そこまで無能なのか。
自分が過大評価しているだけで、その実、張子の虎以下なのだろうか。

¥;・∀・¥「説明してくれ、第三ブロック長ノリハ・サークルコンマ。
       君の考えが私によく伝わるようにだ」

ノリハ;゚ .゚)「はっ、そこの部屋の食事には異常ありませんでした。
     ですが、検出された毒物は我々の提供外の食事、チョコレートに含まれていました」

¥;・∀・¥「チョコ?」

確かに、報告書にはそのように記されている。
チョコレートの表面に塗られたヒ素が死に直結していると書かれているが、こちらではチョコレートの提供などしていない。
提供した食事は安全性第一に考えて選ばれ、毒が混入されればすぐにでも分かる仕組みだ。
それを逸脱した食品が提供された理由とは。

ノリハ;゚ .゚)「はい、そちらの部屋に届けてほしいと頼まれまして」

¥#・∀・¥「この緊急事態に、よくもそんな願いを聞けたもんだ!!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:36:01.00 ID:PVs41mT90
流石のマニーも、その緊張感の無さに呆れかえり、そして激怒した。
ノリハ・サークルコンマはこんな無能だったのか。
食品以外ならまだしも、食品を渡すとは危機感がなさすぎる。

ノリハ;゚ .゚)「それが……」

¥・∀・¥「……なんだ」

ノリパ .゚)「警備員に頼まれたのです、警備中の」

¥;・∀・¥「警備員……だと……?」

客同士なら愚か極まりない判断だが、警備員が頼むとなると、話がこじれる。
その警備員が特定の客に対して毒を持ったと云う事になる。
ならば、計画性のある殺人だ。
この状況で殺人をする人間となると、どう考えても、一連の事件を起こした犯人に結び付く。

こちらの懐の奥深くに潜りこまれている。
背筋に寒気が走った。

ノリハ;゚ .゚)「はい。 第二ブロック七階にいたソルフェージュ・ランブランという男が、第二ブロック長の依頼で受け取った、と言って……
     カードも所持していて、スキャンしたら実在の人物であることも分かりましたので……」

マニーはすぐに視線を隣のオットー・リロースミスに向ける。
作業中に誤って負傷したという右手には、真新しい包帯が巻かれている。
彼は微塵の動揺も見せず、首を横に振った。

£°ゞ°)「全く存じません。
      ……そもそも、そのような男、警備員の中に本当にいるのですか?
      データを改ざんしたとか」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:40:50.36 ID:PVs41mT90
¥・∀・¥「“ホビット”、報告しろ」

仮面をつけたままの探偵長“ホビット”は、小さな体をより一層小さく萎縮させた。
哀れだとは思わない。
マニーはこの男にそれなりの報酬を払っているのだ。
オアシズで起こった事件を何一つとして解決していないこの男の処遇を、今ここで決めても何ら問題ではない。

(<・>L<・>)「はっ、そのソルフェージュ・ランブランという男、確かにおります。
       ですが事件後、トイレに行くと言って姿を消しており――」

¥・∀・¥「捜索中、と」

(<・>L<・>)「情けない話ですが。
       しかし、これで犯人が第三ブロックにいることが分かりました」

¥・∀・¥「……情けないを通り越して糞くらえだ」

マニーはこれ以上、ホビットの顔を見たくなかった。
秘匿性を保つための仮面が、道化のそれにしか見えないのだ。
この男にかかれば左耳に付けたインカムでさえ、ただのアクセサリー以下の価値しかもたない。
書類に目を落としはするが、それを読むだけの気力が今はない。

(<・>L<・>)「……いくつか、ご報告があります」

¥・∀・¥「あ?」

(<・>L<・>)「まずはたった今入った情報です。
       消えた銃弾が発見され、線条痕の検査もできました」

¥・∀・¥「誰の銃だったんだ?」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:45:23.55 ID:PVs41mT90
(<・>L<・>)「第一ブロック長、ノレベルト・シューの銃から発射された物であると断定しました」

やはり、としか言えない。
それだけに、その答えが出たところでマニーは感動も関心もしなかった。
そんなちっぽけな事を追う暇があるのだと、思わず表情に出して呆れたぐらいだ。

(<・>L<・>)「続いて、水中作業用強化外骨格が一機盗まれていることが分かりました。
       種類はBクラスの“ディープ・ブルー”。
       タイミングから考えると、犯人が逃亡用に奪取したと思われます」

¥・∀・¥「保管場所は?」

(<・>L<・>)「襲撃された詰所です。
       ロッカー室と武器庫の鍵が開錠されていました。
       残されていた入室履歴を見ると、部屋への侵入と武器庫の開錠にはサイタマ兄弟のカードが使用されています。
       ただ、奇妙な点が」

苛立ちを表に出さないように努め、マニーは続きを待った。

(<・>L<・>)「一度、武器庫とロッカー室は施錠されています。 もちろん、サイタマ兄弟のカードで。
       ですがその後、もう一度開けられた履歴がありました。
       その際の開錠にはカードが使われておらず、開いた、と云う履歴だけが残されていたのです」

¥・∀・¥「つまり、要約すると?」

(<・>L<・>)「襲撃犯とは別の人間が、事件後にあの場にいた可能性が非常に高いのです。
       単独犯ではないと――」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:50:07.76 ID:PVs41mT90
そこで、マニーの堪忍袋の緒が切れた。
今、目の前で述べたことは推理ですらない。
この男は報告しただけだ。
進展も望めない情報を口にしただけ。

手の中で砕けた万年筆をホビットの仮面に投げつけた。

¥#・∀・¥「それがどうした!? だからどうした!?
       貴様は探偵だろう!!
       少しは頭を使って、この事件をどうにかしようとは思わないのか!?
       盗まれた物云々よりも、犯人の居場所と目的を考えられないのか!?

       警備員の中に紛れている犯人を捜そうとはしないのか!?」

(<・>L<・>)「現在、優秀な探偵が全力で捜査に当たっています。
       今しばらくお待ちください」

¥#・∀・¥「お前が言うんだ、さぞかし優秀なんだろうな。
       期待しすぎて心臓発作を起こしそうだよまったく!!
全員さっさと持ち場に戻れ!!」

手を振って報告に集まった人間とブロック長を持ち場に帰す。
このまま彼らといたら、冗談でなくストレスで心臓がどうにかなりそうだ。
激昂するマニーの前に、残った者が一人いた。
第二ブロック長のノリハだ。

¥#・∀・¥「なんだ?」

ノリパ .゚)「……お客様からご伝言です。
     “マカロニ四本食いの癖は直ったのか”、と」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 19:57:51.62 ID:PVs41mT90
その言葉に、マニーは一瞬怒りを忘れた。
ラヘッジですら知らない、マニーの過去。
幼少期によく叱られた四本食いの癖の事を知っているのは、父と母、そしてある人物だけだ。

¥;・∀・¥「いいか、よく思い出して答えてくれ。
       その客は、どんな人だった?」

ノリパ .゚)「とても綺麗な金髪の女性でしたが」

間違いない。
マニーの知る人物の特徴と一致している。

¥;・∀・¥「その人はどこにいる?」

ただならぬ雰囲気に、ノリハは少し気圧されながらも答えた。

ノリパ .゚)「事件のあった第三ブロック801号室の隣、802号室です」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__::/
  {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ハ,'iヽ
`ヽ ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   y::,'::/
::::::/:ヽ::::::::::::::::::::::::::; _______::::::::::::::::ヽ___/:::レ′
:::::',:::::::\:::::::::::::::< __    _>‐´::::::::::::::、::::::::::/
:::::::i::::::::::{:::::::::::::::::::::::` ̄´::::::::::::::::::::::::::::\:::::,'
                ‥…━━ August 6th AM00:58 ━━…‥
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 20:02:52.65 ID:PVs41mT90
その人物は痛む右手を押さえ、部屋に向かって歩いていた。
負傷したのが右手で幸いだった。
周囲には事故でと説明したが、誤魔化せなくなるのも時間の問題だろう。
現場に居合わせた者の口をいつまでも塞げるとは思えない。

全ては自分の油断が招いた結果だった。
大丈夫だろうと思い上がり、警戒をおろそかにした結果がこれだ。
彼はどうにかして、この問題を解決しなければならなかった。
これは自分の責任だ。

(,,゚,_ア゚)「お疲れ様です、具合はいかがですか?」

道中、知り合いが声をかけてきた。
考え事が顔に出ないように努め、返事をする。

「少し痛むが、大丈夫だ。
利き手じゃなくてよかったよ」

(,,゚,_ア゚)「何かお手伝いできることがあれば、何でも――」

「じゃあ、今君が受けている指示を全力で果たしてくれ。
それが、一番の手伝いだよ」

それは本音だ。
彼らが全力で職務に当たってくれれば、それだけこちらの負担が減る。
負担が減った分、密かに動くだけの時間が得られる。
その後、道々で警戒している部下達に軽く労いの言葉をかけつつ、部屋に戻った。

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2014/02/11(火) 20:05:24.46 ID:PVs41mT90
部屋の扉を閉め、チェーンを掛け、飲料用冷蔵庫に足を向けた。
飲み物が詰まった冷蔵庫からよく冷えたコーラの瓶を取出し、歯で蓋を開ける。
刺激の強い液体を一気に飲み干し、気分をリフレッシュさせる。
夜は明け、嵐を抜けはしたがまだ状況は悪いままだ。

ここから状況を一変させるには、相手の出方と思惑を理解しておく必要がある。
眠気を抑えきれずに、瞼を降ろす。
人差し指と親指で鼻の付け根を押さえ、疲労が目に来ていることを自覚した。
それを誤魔化すために、新たなコーラを取り出して一口飲む。

キッチンに瓶を置き、冷凍庫から袋に入ったミートソーススパゲッティを電子レンジに入れ、温める。
食事をする時間があれば、もっとまともな物を食べたかった。
冷凍食品は総じて不味くもなければ美味くもないのだ。
電子レンジが低い唸りをあげる中、スーツを脱いでハンガーにかけ、ホルスターを机の上に置く。

服装には気を遣わなければならない。
どれだけ忙しくても、スーツの皺は心の皺だと云う考えが彼の中にある以上、それを蔑ろには出来ないのだ。
下着一枚になり、凝り固まった体を伸ばす。
右手の傷が痛む。

この傷を負わせた者に相応の報いを与えることを誓う。

£#°ゞ°)「……許さんぞ、絶対に!!」

第三ブロック長オットー・リロースミスはそう口にして、左拳で壁を殴りつけたのだった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Ammo→Re!!のようです
Ammo for Reasoning!!編 第六章 了
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


戻る inserted by FC2 system